中国電力が山口県上関町に計画中の上関原子力発電所を巡り、同社が9月9日深夜に工事を行おうとしたところ、地元住民により阻止された。住民側は「工事の強行は許されない」と反発を強めている。
中国電力は埋め立て工事の予定海域に作業船など7隻を出して向かおうとしたところ、建設予定地対岸の祝島の漁船2隻が「闇討ちはやめろ」と抗議。また、予定地の田ノ浦でも船を並べて抗議行動を展開したため、作業船団は翌10日未明に引き返した。
上関原発を巡っては祝島住民を中心に「豊かな生態系と漁場が失われる」として反対。埋め立て工事も抗議により昨年11月から中断していた。住民の合意が得られない中で今回の工事強行を図ったことについて、上関原発を作らせない祝島島民の会の清水敏保事務局長は「中電のやりかたは姑息だ」と語った。(斉藤円華)