■「問題解決」の8ステップ
トヨタ自動車には、問題解決をするための以下の8つのステップがある。
1.テーマ選定
2.現状把握
3.目標設定
4.要因解析
5.対策立案
6.対策実行
7.効果確認
8.標準化と管理の定着
受講生は、講師の個別指導のもと、1-5までを「カイケツ」を通して半年間学び、その経験を生かして6-7を組織内で実践する。
■トヨタ流「問題解決」とは
第1回の講座では、「問題解決」の本質と全体像について説明が行われた。古谷講師は、「品質管理はマネジメントそのもの。マネジメントを良くすれば、品質も良くなる。そしてマネジメントの基本は問題を解決することだ」と話した。
ここでいう「品質」は、製品・サービス、プロセス、システム、経営、組織、風土などあらゆるものの「品質」のこと。品質は「よしあし・ねうち」のことであり、それを判断するのはお客様。お客様の要求・期待には「ばらつき・変化」があり、商品やサービスにも人的要因ややり方によって「ばらつき・変化」が生じる。
品質管理(Quality Control)とは、その「ばらつき・変化」に的確に対応することであり、お客様の期待に応える新たな価値を創造すること。古谷講師は、品質管理を「『ばらつき・変化』との終わりのない戦い」と語った。
では、問題とは何か。問題とは、設定した目標と現実との間に生じる、対策して克服する必要のあるギャップのこと。問題の解決は、基本となる手順に沿って効果的に行うことが重要。問題解決はすべての基本になる。
問題解決には、「問題解決の見方・考え方」、「問題解決の8ステップ」、「問題解決ツール」の3つの要素がある。受講生は半年間の「カイケツ」を通してこれらを修得し、実践していくことになるが、3つの要素を実践するために特に重要になるのは「見える化(不都合な真実も含めて共有)」と「理解活動(関係部署との調整)」だという。
古谷講師は最後に、「職場の活性化・意識改革による良い職場風土の醸成が基盤にあってこそ、ばらつき・変化への対応(品質保証:SDCA)ができ、お客様の期待に応える新たな価値の創造(PDCA)ができる。そしてその結果として、問題解決が実践できる」と講義を締めくくった。