植えて育てた木を自然教育に活用

学校ごとの「木のしおり」も作成

そして2019年からは、全校をあげてこの活動に取り組んでくれる学校に対し学校ごとに作成するオリジナルの「学校の木のしおり」も贈呈する。「木のしおり」は樹木図鑑作家の林将之氏が監修する。林将之氏は、葉をスキャナで直接取り込む撮影法を独自に確立し、全国の森で数万点の葉を収集&スキャン。図鑑分野でベストセラーとなる「葉で見わける樹木」(小学館刊)を出版している。初心者にも分かりやすく木や自然のことを伝えることをテーマに樹木図鑑やアプリ制作の他、書籍や雑誌への執筆も数多い。

樹木名プレートだけでは、学校の全生徒が参加することが難しいが、「学校の木のしおり」があれば生徒全員が木の名前を知る活動に参加できることになる。学校内にある木はあらかじめ先生方に調べていただき、その中から代表的な樹種を選び、林将之氏が監修しオリジナルな内容のしおりにする。日本列島は東西南北に広く、地域によって植生も違っているので、オリジナルの「木のしおり」はありがたい。生徒たちにとって、いい記念になるだろう。この活動で木の名前を知った子供たちが、大きくなって、さらに自然環境について関心を持つようになればとてもいいと思う。

学校に贈られる「木のしおり」のサンプル

活動を持続させることで、新たな展開が生まれている

樹木名プレートが、CSR活動の一環として行われてきた植樹活動の成果として生まれたことにもとても意義があると思う。26年にわたって地道に活動を持続させてきたことで、新しい展開が生まれた。樹木は植えて育てるには長い時間がかかる。森とのつきあいにも長い時間が必要だ。親から子、子から孫、孫から曾孫へ。子供たちも樹木名プレートによって、木の名前だけでなく、森の時間の流れも感じ取ってくれたらいいなと思った。

樹木名プレートは子供たちの手で取り付けられる

ニッセイ緑の財団では、樹木名プレートを活用してくれる学校を募集中だ。興味がある方は公式サイトを参照してほしい。(写真提供:ニッセイ緑の財団)

◆ニッセイ緑の財団 森のめぐみに触れる活動(樹木名プレートの活用)

フリーランスのコピーライター。「緑の雇用担い手対策事業」の広報宣伝活動に携わり、広報誌Midori Pressを編集。全国の林業地を巡り、森で働く人を取材するうちに森林や林業に関心を抱き、2009年よりNPO法人 森のライフスタイル研究所の活動に2018年3月まで参画。森づくりツアーやツリークライミング体験会等の企画運営を担当。森林、林業と都会に住む若者の窓口づくりを行ってきた。TCJベーシッククライマー。

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