「ワーケーション」という働き方(原田 勝広)

連携の成功のカギは、都会から地方への一方通行ではなく、両者がいかにwin-winの関係になれるかだろう。一時、脚光を浴びた移住などは、都会の人に田舎の風習を押し付けてもアレルギーを起こすばかりだし,雇用の機会がないことと少子高齢化など地方の課題が残ったままというのがネックとなっている。

引っ越すのでなく、都会の仕事を田舎でしてもらおうというノマドワークセンターのワーケーションであれば、基本、都会に住み、仕事もそのまま。さらに、都会のリソースを使って地方の社会課題解決のためのノウハウ、アイデア、技術提供、特にIOT,AI,ロボットを現地の人と一緒に考えるのでまさにwin-winの関係である。ここでもNPOのNature Serviceが間に入り新鮮なアイデアを提供している。寄付とボランティアでいいことをする旧来のNPOではなく、資金循環をつくりながら社会的課題を解決する社会起業家型のNPOであり、SDGs時代にふさわしいテレワークといえる。

長野県を含む全国9自治体が7月にワーケーション自治体協議会を立ち上げるという。働き方改革の一環として注目したい。(完)

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原田 勝広(オルタナ論説委員)

日本経済新聞記者・編集委員として活躍。大企業の不正をスクープし、企業の社会的責任の重要性を訴えたことで日本新聞協会賞を受賞。サンパウロ特派員、ニューヨーク駐在を経て明治学院大学教授に就任。専門は国連、 ESG・SDGs論。NPO・NGO論。現在、湘南医療大学で教鞭をとる。著書は『国連機関でグローバルに生きる』など多数。執筆記事一覧

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