ーー政府は「デジタルプラットフォーマー取引透明化法」(仮称)を準備しています。
新法は独占禁止法の補完的な意味合いで考えています。未然に不公平な取引が行われないようにするためです。デジタルプラットフォームは社会性が強いので、透明性・公正性が求められます。
それを確保していくためには、重要な情報に関しては事前に積極的な開示が求められます。そういう意味での新法です。包括的な規制をかける趣旨ではありません。メディアでは、「包括的な規制をかける」と書かれていますが、そういう趣旨ではないのです。
ーーそもそも、GAFAにはどういう社会的責任があると考えますか。
デジタルプラットフォームは社会の基盤です。それだけに公共性が求められています。事業者には企業倫理や社会行政法を認識したうえで経営をしてもらいたい。フェイスブックは大量の個人情報が流出するなかで、「データ倫理」が条件だということをザッカーバーグ氏自身も発言しています。いま、GAFAすべての経営者にデータ倫理は求められていることの一つです。
ーー世界にとって「GAFAの顔」が見えない不安もあるように思います。
まったくその通りです。今回のヒアリングでも、十分に説明責任が果たされていない部分がありました。説明できる日本法人の体制もつくってほしいです。「自分が担当ではないから説明できない。本社に聞かないと分からない」というままでは、ガバナンス上の問題を感じざるを得ません。
これだけ存在感のあるビジネスをしているわけですから、そのビジネスをしている企業の責任として問題が起きたときに、しっかり対処ができる体制を構築して、重要な説明責任を果たしてほしいです。