西川口に垣間見る日本の近未来(馬場 正尊)

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オルタナ本誌 連載「オルタナティブな空間」(57号)から

かつては違法風俗店が並ぶ通りだったが、警察の摘発でほとんどが廃業・空洞化し、そこに中国系の店が入り集積し始めたようだ

JR京浜東北線の蕨駅・西川口駅付近で、ちょっとした中華街が姿を現しているのをご存じだろうか。先日、そこへ足を運んでみた。

きっかけは、『団地と移民』(安田浩一著/角川書店)という本を読んだこと。そしてほぼ同じタイミングで、UR都市機構が主催する「団地の未来に関する有識者会議」に出席し、そこで話題に上ったことだった。両者で出てきたのが芝園団地と、最寄駅である蕨駅の隣の西川口駅周辺。それがあまりにも気になって、自分の目で確かめたくなったのだ。

駅を降りて団地に近づくと中華食材の店や中古家電のリサイクルショップがあり、確かにそれらしい気配はある。ただ中を歩いてみても、足元の商店街に中華料理屋が複数あるくらいで特段他と違うところは見られない。ひとつだけ、すれ違う人々の会話のほとんどが中国語で、居住者の多くが外国人であることを感じさせた。

賑わっている中華料理屋に入ってみた。客で日本人は僕らだけ。壁にかけられた本日のおすすめメニューも中国語だけ。味も本格的でかなりおいしい。金額は日本の相場と大した違いはないが量が2倍以上。日本語がほぼ聞こえない環境での食事はちょっとした外国旅行感覚だった。

 

※この続きは、オルタナ57号(全国書店で発売中)掲載の連載「オルタナティブな空間」をご覧ください。

 

馬場 正尊(ばば・まさたか) 建築家。1968年佐賀県生まれ。94年早稲田大学大学院建築学科修了。博報堂、早稲田大学博士課程、雑誌『A』編集長を経て、02年Open Aを設立。東北芸術工科大学教授。

2019年7月12日(金)19:13

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