エシカルは優良顧客戦略:ストライプ石川社長(4)

――「地球環境を考えないお客さんはステークホルダーから外す」と明確に意思表示をしたとのことですが、社内から反発は起こりませんでしたか。

石川:こうした判断は20年前にはできなかったと思いますが、いまなら、最小リスクでこの概念で経営できると判断しました。

エコロジーやCSR、SDGsなどには、一定のリテラシーはある会社なので、反対意見は出ませんでしたが、ショッピングバッグそのものが20円は高いのではないかという意見は出ました。

なんで20円にしたのかというと、10円だと毎回ショッピングバッグを利用する人は減らないと思ったからです。20円がいい塩梅ではないかと考えました。

企業の最大の目的は「ソリューション」

――SDGsもCSRも、あくまで経営のツールです。CSRやSDGs自体を目的化する必要はありません。むしろ、SDGsやCSRの取り組みを通して社会課題を解決し、未来の顧客を生み出すことが企業の目的でしょう。石川社長は企業の目的をどう考えておりますか。

石川:企業の最大の目的は「ソリューション」だと思います。若い世代ほどそう考えている気がします。

スタートアップの経営者は「ソリューション」という言葉をよく使いますが、事業で社会課題を解決することがすごく大事だと理解しています。一昔前は、金儲けのために起業する風潮がありましたが、ようやくスタートアップの意識が変わってきましたね。

――利益追求型から社会問題や環境に配慮した循環型企業を目指すようになってきたのですね。

石川:私たちは、創業から「Do good」という概念を大事にしていて、日本語だと「いいことをしよう」です。これは3つに分けていて、「ビジネスグッド」「ソーシャルグッド」「ローカルグッド」です。

ビジネスで地域や社会の問題解決にどう貢献できるのかということを考えながら25年間やってきました。このDo goodという概念はSDGsにもぴったり当てはまりますし、近江商人の「三方よし」ともつながります。

例えば、大学3年生が教育実習の時期に入るとアルバイトができなくなります。そういう子たちも視野に入れて、「メチャカリ」というサブスクリプション型のファッションレンタルサービスを立ち上げました。

月額5800円で服借り放題のサービスです。大学4年生から社会人になるとき、結婚するときなどのライフステージが変わるときにその場に合った服も必要になります。そういうときに、メチャカリが生きてきます。

顧客の高いリテラシーに合わせた製品を提供

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

執筆記事一覧

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..