COP25前半:パリ協定 積み残されたルールの議論紛糾

■(3)非国家アクターの動き

3つ目は、国連の交渉の外で、活発に繰り広げられる政府以外の主体の積極的な温暖化対策の表明。パリ協定は、非国家アクターと呼ばれる都市や自治体、企業などが、国を超えて集まりさまざまな温暖化対策のイニシアティブを立ち上げ、野心的な温暖化対策を次々と打ち上げたことも大いなる力となって成立しました。

その後のCOPでは、実際の政府間の交渉の場と同じ大きさの会場が横に用意されて、各国政府のみならず、都市や自治体、企業がパビリオンなどを出展して、「2050年(もっと早くも)に排出実質ゼロ」、「石炭火力廃止」などの積極的な約束を競って表明するようになっています。COP25においても、活発な非国家アクターの動きが繰り広げられています。

COP25においても、非国家アクターの動きが注目を集めている

■(4)石炭からの脱却

そして4つ目は、日本が最もターゲットとなっている石炭からの脱却の動きです。石炭は、同じ化石燃料の中でも最もCO2の排出量が多いため、気温上昇を2度未満、ましてや昨今のトレンドとなっている1.5度に抑えるためには、速やかにその使用を廃止していかねばなりません。その動きに逆行している国の中で先進国として最も目立っているのが日本なのです。世界中からの批判が集まる中、日本がどう動くかに世界が注目しています。

石炭からの脱却について、日本の姿勢は世界からの批判を集めている

■4つの焦点についての議論

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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