防災備蓄から食糧支援へ、「パンの缶詰」で社会貢献

■遊びや通学のための「靴」も継続支援

秋元社長自ら現地へ届けることもある

2009年に始まった「救缶鳥プロジェクト」は、東日本大震災やタイの洪水被災地、フィリピンの豪雨災害、タンザニアやエスワティニ(旧スワジランド)など、国内、アジア各国からアフリカへと世界各地に継続的な支援を行っている。

現地での交流から新たなプロジェクトが生まれることもあった。2018年春、同社の秋元信彦営業部長がアフリカ南部のエスワティニへパンの缶詰を届けた際、子どもたちから「靴があると登校も遊びも楽になる」という声を聞いた。

缶詰の入っていた空き箱でサッカーをする子どもたちの約半数は裸足だった。帰国後、ホームページや地域の小学校で協力を呼びかけるとすぐに500足が集まった。2019年3月と11月に400足ずつを届け、現地での様子を日本の小学校に報告。今後も靴の支援を継続する予定だ。

「みどりの救缶鳥+」を発表する秋元社長(右)とユーグレナの出雲充社長

今年8月末に発表した「みどりの救缶鳥+」は、ユーグレナを加えて栄養素を高め、賞味期限を3年から5年へさらに2年間延長。自治体や学校、企業を中心に、備蓄食として導入が進んでいる。

ユーグレナ社は、バングラディシュの子どもたちにミドリムシ入りクッキーの支援を続け、現在では一日約一万食以上が消費されている。こうした活動の共通性から、2社の協働が実現した。

秋元社長は「(「みどりの救缶鳥+」を)栄養が必要な方々に行き渡らせたい」と力を込める。パンの缶詰を通じて食品ロスを削減するとともにSDGs(持続可能な開発目標)への貢献を進める取り組みは、さらなる広がりが期待されそうだ。

これまでの救缶鳥プロジェクトの義援先リスト
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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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