セルフマネジメント研究第一人者に聞く「10の心得」

■「グラウンディング」を身に付ける

現代社会をサステナブルに生きるためのセルフマネジメントについて、ハンター氏の講演に聞き入る人びと

こうした状況に際して、適しているのが「グラウンディング」という手法だ。瞑想のようなものだが目を閉じて、意識を体の一部分(例えば足の裏)に集中させる。

その部分から意識を少しずつ違う部位に動かし、体がどのように感じているかじっくりと味わう。こうすることで、体の状態を把握し、意識を集中させることで、精神のエネルギー状態を沈めていく。

このグラウンディングを行うために、特別な場所は必要ない。道場のような場所に通う必要もなく、職場や電車の中、トイレの中ででさえできる。実際ハンター氏の生徒で、仕事の帰りの帰宅電車の中でこのグラウンディングを行うことで、家庭に職場の緊張感や仕事の問題などを持ち込まないようにしている人がいるという。

我々の生活は、身体的に「神経を興奮させる」交感神経を刺激するものに囲まれている。コーヒーやアルコールなどもそうだ。それに対して、このグラウンディングのスキルを身につけるだけで、自分の体の状態を把握することができ、意識をしていない「オートパイロット状態」から抜け出すことができるようになる。

そして、体を自在にコントロールできるようになってくると、すべての行動に対して、質の高い瞬間の判断が行えるようになっていく。この瞬間の判断こそ、人生のすべてに影響することを知れば、意図を持って自分の行動を変化させていくことができるだろう。

「多くの人が、自分の人生に選択の余地があることに気づいていない」と話すハンター氏。こうでなくてはいけない、というプロセス重視ではなく、最終目的を意識するだけで、自ずと行動は変わっていく。その一歩を踏み出すのは今からでもできるのだ。

teramachi

寺町 幸枝(在外ジャーナリスト協会理事)

ファッション誌のライターとしてキャリアをスタートし、米国在住10年の間に、funtrap名義でファッションビジネスを展開。同時にビジネスやサステナブルブランドなどの取材を重ね、現在は東京を拠点に、ビジネスとカルチャー全般の取材執筆活動を行う。出稿先は、Yahoo!ニュース、オルタナ 、47ニュース、SUUMO Journal他。共同通信特約記者。在外ジャーナリスト協会(Global Press)理事。執筆記事一覧

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