地球もステークホルダー、前田建設の森づくり活動

2016年からはコナラの森づくりに着手
「MAEDAの森 佐久」は、2011年から2015年まで活動した「MAEDAも森 佐久1」と2016年から作業を続けている「MAEDAの森 佐久2」がある。「MAEDAの森 佐久1」は、林道に接していて材を搬出しやすい立地なのと山主である大沢財産区の希望があったのでヒノキを再植林し、2015年までに植樹と初期の下草刈り作業を終えた。2016年からは「MAEDAの森 佐久2」に活動フィールドを移して新たな森づくりを開始した。ヒノキ、カラマツなど針葉樹の森を皆伐し、薪を産出できるコナラに樹種転換している。
将来は、この森から産出する薪を地域住民が薪ストーブの燃料として利用し、自然エネルギーの地産地消を実現したいと考えている。前田建設の関東支店が中心となり、年に1回、社員とその家族がコナラの植樹を行っている。2020年までには2haの伐採跡地への植樹を完了する予定だ。

活動には、親子で参加される社員も多い(長野県佐久市 大沢財産区 2019年11月 写真提供:前田建設工業株式会社)

新入社員研修のプログラムにも森づくりを導入
森づくり活動は、社員だけでなくご家族も参加する。皆さん、年に一度の森づくりをとても楽しみにしてくれている。森づくりが「楽しい」と感じてもらえるのは、サポートする側としてはとてもうれしいことだ。
また、前田建設は新入社員研修のプログラムに森林整備活動を取り入れている。2011年から2014年までは「MAEDAの森 佐久1」をフィールドに作業道づくりなどを行った。現在は、移動時間などの都合から千葉県や東京都八王子市で森林整備活動を行っている。新入社員たちにとって本来の自分たちの仕事とは直接関係がない森づくりだが、慣れない急斜面で汗をかく作業は仲間意識の醸成に役立っているようだ。自然の中の活動は、肉体的につらくても気持ちの上では爽快だ。

地元の人とも力を合わせて森づくり(長野県佐久市 大沢財産区 2019年11月 写真提供:前田建設工業株式会社)

森もインフラも100年先に残すもの
前田建設が得意としているのは橋やトンネル、ダムなどの社会インフラ建設。一度、作ったら何十年と使い続け、100年先の人々に伝え残すものだ。一方、森は何十年と守り育て、100年先の人々に伝え残すものだ。案外、共通点があるのかもしれない。前田建設は、今の「森林(もり)の里親」協定が満了する2020年以降も佐久での森づくりを継続することを考えてくださっている。持続可能な森づくりをぜひ続けていただきたいと思う。
さて、出雲大社にはその昔、巨大木造神殿が立っていたという伝説がある。本殿の高さは48mで17階建てのビルに相当した、という説もある。現在では、そんな大規模木造建築物に使える巨木は、日本には残っていないが、無垢材を使わずCLTなら可能かも…。ぜひ前田建設ファンタジー営業部で出雲の巨大神殿を木造で建設するという課題に挑戦して欲しい。

地球への配当
https://www.maeda.co.jp/csr/environment/reduction/index.html

全国MAEDAの森
https://www.maeda.co.jp/csr/environment/reduction/wood.html

フリーランスのコピーライター。「緑の雇用担い手対策事業」の広報宣伝活動に携わり、広報誌Midori Pressを編集。全国の林業地を巡り、森で働く人を取材するうちに森林や林業に関心を抱き、2009年よりNPO法人 森のライフスタイル研究所の活動に2018年3月まで参画。森づくりツアーやツリークライミング体験会等の企画運営を担当。森林、林業と都会に住む若者の窓口づくりを行ってきた。TCJベーシッククライマー。

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