仏の新型コロナ対策(中):政府とメディアの発信力

これを見ると、一斉休校は12日に出た推奨案をその日の夜にマクロン大統領が発表したと分かる。15日に行われた第一回目地方選挙は、野党が延期を要請していたが、政府は維持した。14日の意見書を読むと、委員会が再検討して最終的なゴーサインを出したことが政府の判断の根拠になったことが分かる。外出禁止は16日の委員会の意見を受けて、その夜マクロン大統領が発表した。意見書には参考文献が付いており、情報の透明さが表れている。

毎日、閣僚の誰かが記者会見やラジオ、テレビで政府の方針を発言している。それをメディアが細かく補って、市民の疑問に答えるように具体的にどうなるのかを報道している。

外出禁止が発表された翌朝、メディアは、特例として認められる外出時に携帯しなければならない証明書について説明した。内務省のサイトから書式をダウンロードして記入し、警察のコントロールがあったら見せるのだ。これがないと135 ユーロ(約1万6000円) の罰金が科せられる。

ラジオの電話相談では、「プリンターがない」という市民に、「手書きで良い」と言って、書き入れる必要事項を説明していた。特例は、1.遠隔業務ができない仕事で自宅から職場に移動するとき、2.生活必需品を買いに行くとき、3.健康上の理由、4.やむをえない家庭の事情、弱者救済、子守、5.自宅近くで個人で短時間行うスポーツ、ペットの散歩である。このうちのどれかに印をつけ、名前、生年月日、住所、日にちを記入し署名する。

ラジオでは毎日、NGO「医者SOS」の事務局長が新型コロナについて市民の質問に答えている。全般的な質問はインターネットでも電話でも受け付けて、答えをウェブ版に掲載している。

日刊紙「ルモンド」は3月19日、皆が知りたがっている70の質問に答えた。「許可書は外出する度に記入するのか」、「引っ越しをしてもいいのか」、「宅配荷物は消毒しなければならないのか」など、なるほどと思う質問ばかり出ていた。

初めての疫病との闘いの中で、生活、地域、家族状況が違う人たちがメディアを通してそれぞれの疑問に答えを見つけることができるのは本当に助かる。

◆仏の新型コロナ対策(上):買いだめに走る市民

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