桜の実に集うワカケホンセイインコ(坂本 優)

尾羽が長く、ハトなどに比べ比較的動作のにぶいワカケホンセイインコはカラスにとって比較的狩りやすい獲物になっているのだろうか。

この日、カラスは現れなかった。そのせいか、彼らの特徴であり、それゆえ人に嫌われることもある、がなるような大きな声で鳴きかわすこともなかったが、集団で何かに警戒しつつ採餌している様子は感じられた。

彼らが住み、飛来するのは大学のキャンパスや公園、街路などの並木や植込み、個人の庭などが中心だ。ペットとして連れて来られた気候風土の異なる日本で、時に人の給餌も受けながら、都市に造られた人為的な緑地で半世紀にわたって集団を維持している。

原産地では畑を荒らす害鳥ともされたインコ達、初夏の石神井川では誰にとがめられることもなく、桜の恵みをついばんでいる。

さかもとまさる (生きものコラムニスト)

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坂本 優(生きものコラムニスト/環境NGO代表)

1953年生。東京大学卒業後、味の素株式会社入社。法務・総務業務を中心に担当。カルピス株式会社(現アサヒ飲料株式会社)出向、転籍を経て、同社のアサヒグループ入り以降、同グループ各社で、法務・コンプライアンス業務等を担当。2018年12月65歳をもって退職。大学時代「動物の科学研究会」に参加。味の素在籍時、現「味の素バードサンクチュアリ」を開設する等、生きものを通した環境問題にも通じる。(2011年以降、バルディーズ研究会議長。趣味ラグビー シニアラグビーチーム「不惑倶楽部」の黄色パンツ (数え歳70代チーム)にて現役続行中)

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