日本初の気候関連株主提案、みずほに情報開示求め

みずほは顧客の脱炭素化を強化するとしており、必要に応じて業態転換を促すなど、建設的な対話への意欲もあるが、現状では、指標や目標が示されておらず、何を目指して対話を行っているのかが「ブラックボックス」の中だ。

以上のことから、気候ネットは、気候関連リスクおよび機会の適切な評価、価格付けのために投資家が必要な情報が開示されているとは言い難いと判断した。

こうした気候ネットの主張に対し、みずほFGは5月22日に公表された株主総会通召集知資料と6月10日の声明で、要求内容は「環境方針」でカバーされているとして、当該株主提案に反対する方針を示している。

みずほFGは4月15日に「環境方針」の制定を発表し、環境・気候変動への取り組み強化を表明した。また、5月21日に発行された「TCFDレポート」で気候変動に関する最新の企業情報を開示した。

TCFD (気候関連財務情報開示タスクフォース)は2015年12月、 G20の要請を受け金融安定理事会(FSB)に設置された機関で、2017年6月に提言が示された。

TCFD提言では、気候変動の影響を踏まえた1.企業統治、2.経営戦略、3.リスク及び機会の特定と管理(シナリオ分析)、4.評価指標と目標――の4つのカテゴリーの開示を推奨しており、提言に従った気候関連企業情報開示を行うことが、世界標準になりつつある。

みずほFGはTCFD提言に基づく情報開示に賛同している一方で、気候ネットはみずほFGの開示は不十分であると主張している。

気候ネットワークの株主提案に関して

みずほFGの株主総会通召集知資料

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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キーワード: #脱炭素

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