環境省「ポジティブ・インパクト・ファイナンス・タスクフォース」(座長:水口剛高崎経済大学副学長、経済学部教授)は3月26日、インパクト投資を行う金融機関や機関投資家向けのガイド「グリーンから始めるインパクト評価」を公表した。「インパクトファイナンスの5つの基本的流れ」としてインパクトの特定、事前評価、事前評価結果の確認、モニタリング、情報開示を提言した。(オルタナ総研フェロー=室井 孝之)
タスクフォースは、ESG金融懇談会提言(2018年7月)を受け発足したESG金融ハイレベル・パネルの下に昨年3月に設置され、同ガイドの策定に着手した。
インパクトファイナンスとは適切なリスク・リターンを追求しながら、明確な意図を持って環境・社会・経済にポジティブなインパクトをもたらそうとする投融資である。
その一方、インパクトファイナンスに取り組んでいる金融機関・投資家の中でも、通常の投融資の中でインパクトがリスク・リターンと並ぶ「第三の軸」として 評価に組み込まれるところまでは、一般的には至っていない。
同ガイドは、投融資を行う金融機関・投資家にとってインパクトファイナンス実践ガイド、投融資の受け手となる企業にとってステークホルダーとの対話に当たり中長期的な企業価値向上に向けた情報開示を行うためのガイドとなる。