今年は国際森林年 国内林業にも好機

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【図】世界各地の森林面積の変化。赤い地域で森林の減少が激しい(出典:FAO Global Forest Resource Assessment 2010)

今年は国連が定める「国際森林年」だ。国連は「Forests for People(人々のための森林)」をテーマに、持続可能な森林の経営・保全・開発を呼びかける。日本でも林野庁が国際森林年国内委員会(座長・佐々木毅/国土緑化推進機構理事長)を発足させ、森林・林業再生のための「フォレスト・サポーターズ」を募集するなど、さまざまなイベントやキャンペーンを始めた。

■減少し続ける世界の森林

そもそも、国際森林年のルーツは1992年の国連環境開発会議(地球サミット)にさかのぼる。「環境と開発に関するリオ宣言」でうたった「森林原則声明」「気候変動枠組条約」「生物多様性条約」「砂漠化対処条約」のもと、今日までの約20年間にわたり、国連機関などが森林問題の解決に挑んできた。

しかし、依然として世界の森林面積は減り続ける。南米やアフリカ、東南アジアなど途上国で特に著しく、森林の減少と劣化による温室効果ガスの排出量は、世界全体の約2割を占め、気候変動の一因とされている。

また、森林には種の約80%が生息しているといわれ、生物多様性を保つためにも、森林保全への国際協力が必要だ。

■国産材の活用で林業の再生を

日本では林業の衰退が問題視されている。地球上の陸地の約3割を森が覆うのに比して、国土の3分の2が森林という森林大国であるにもかかわらず、木材自給率が 27.8%(2009年林野庁調べ)と低い。

木材自給率の低さは、途上国の森林伐採への荷担を意味する。また、海外から日本に向けての輸送に伴う環境負荷も大きい。一方で国内森林資源は年々増加し、人工林は樹齢 30―50年のものがその大半を占め、このまま10年間放置すると、高齢級の木材割合が全体の35%から約60%になるという。

この樹齢になると木の成長は止まり、光合成によるCO2の吸収量と、呼吸による酸素の排出量がほぼ均衡する。つまり、森によるCO2の吸収が見込めなくなるのだ。その前に伐採して木材を利用することが温暖化対策の上でも林業の振興の上でも重要だが、現状では国内材には需要が向かわず、輸入材に依存している。

また、林業就労者の65歳以上の比率は2005年の時点で26%と、全産業の9%に比べてはるかに高い。持続可能な森林の保全・経営のための人材育成も重要な課題だ。

昨年12月に開催された国内委員会では、元ソニー会長の出井伸之氏が、「ハウジングメーカーなど木材を使う産業が、国産材を用いても利益が得られる生産システムの開発など、第一次産業と第二次産業のかけ算が必要だ」と表明。国内の産業構造の転換と新しい技術開発に向けて意見が交換された。

国際森林年が物流や産業、市民活動にインパクトを与え、国際的な森林減少の抑制に繋がることが望まれる。(オルタナ編集部=有岡三恵)2011年1月7日

2011年1月12日(水)10:00

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