注目されるクリーンな「R水素」とは

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「R水素ネットワーク」が提唱するのは、再生可能エネルギーと水素が手をつなぐ社会

5日の世界環境デーに合わせて4日開幕した「エコライフ・フェア2011」(環境省主催)で、国際NGO「R水素ネットワーク」は、再生可能エネルギーと水素を軸とした社会づくりを提案した。

同NGOは、再生可能エネルギーで水を電気分解して得られた水素を、再生可能な(Renewable)水素、略して「R水素」と呼ぶ。太陽光や風力は発電量を調整できない。だが、発電が過剰なときに余った電気を使い、身近な水から水素を取り出しておけば、エネルギーを水素の形で貯蔵・運搬できる。持続可能な資源だけを使って、エネルギーの地産池消を可能にする方法である。

ここでの水素の役割は蓄電池と重なるが、連続使用、容量、寿命の面で、水素は蓄電池より制約が少ない。運搬の安全性も、ほかのガスと同様に法規を守れば問題ないという。貯蔵した水素は、そのままでも燃料になる。また、酸素と結合して水になる化学反応を利用する「燃料電池」を使って、電気と熱をつくり出すこともできる。いずれの場合も、CO2を排出しない。

電気分解に電力が必要なため、水素から発電した場合の電力量は、水素を取り出すために投入した電力の約30%にとどまる。しかし燃料電池では排熱も利用できるので、総合的なエネルギー変換効率は56%~63%となる。

日本の水素エネルギー開発は、政府主導で北九州を中心に進められている。世界に先駆けて2009年に発売された家庭向け燃料電池「エネファーム」は全国で約1万台が導入され、自動車メーカーらは2015年の燃料電池自動車(FCV)販売開始を目指して準備中だ。しかし使われる水素の多くは、水ではなく石油や天然ガス由来である。

R水素ネットワークの江原春義代表は「海外の地下深くにある化石燃料に頼る暮らしは水や空気を汚し、争いや貧困の原因をつくる。今こそ、負のスパイラルを生む枯渇するエネルギーから、命を大切にする持続可能なエネルギーにシフトを」と、話している。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)

2011年6月6日(月)12:23

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