CO2を電気に変える研究、米国で実験へ

CO2を地中に埋めてそこから電力を作る

発電で発生した二酸化炭素を地下に埋め、地熱で暖めた上で再び発電用の熱源として用いる研究が米国のローレンス・バークレー・国立研究所によって進められている。二酸化炭素を封じ込めて循環利用することでカーボンオフセットに要するコストを減らす上、地球温暖化の防止にも貢献するという。

このシステムでは、地中深くパイプを埋め、地下3200メートルに二酸化炭素を放出する。摂氏125度を保つこの深さでは、放出された二酸化炭素が「超臨界状態」になり、液体と気体の性質を合わせ持つようになる。これらの二酸化炭素は吸い上げ用のパイプを通って地表へ上がり、その熱エネルギーでタービンを回して発電する仕組み。

ローレンス・バークレー・国立研究所では、米エネルギー省から設備の設計と試験用として500万ドル(約3億8000万円)を受け取り、ミシシッピー州に試験設備を建設する計画。実験が成功すれば、世界初の地熱を利用した二酸化炭素発電となる。

二酸化炭素は31.1℃・70気圧以上で超臨界状態となることが知られ、超臨海状態の二酸化炭素を使ってタービンを回すCO2ガスタービンの研究は日、米、韓、仏で行われている。今年6月には、東京工業大学やエネルギー総合工学研究所の研究グループが原理実証実験に成功した。(形山 昌由)

ローレンス・バークレー国立研究所

http://newscenter.lbl.gov/feature-stories/2011/08/08/geothermal-co2/

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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