脱東京での地域の拠点、MAD Cityとは?

松戸駅前のMAD City Gallery.イベント風景 (写真提供:まちづクリエイティブ)

JR常磐線の松戸駅前にMAD City Galleryというまちづくりの拠点が誕生し、都心からのアーティスト移住を促進している。松戸市の「松戸アートラインプロジェクト2011」や内閣府 の起業促進プログラムと連動しながら、1年で約20人の松戸移住を実現させた。

千葉県松戸市は上野から快速で約20分、人口約49万人のまちだ。ギャラリーの運営は「まちづクリエイティブ」という会社で、主宰するのは寺井元一 氏。KOMPOSITIONというNPOを率い、東京・渋谷でアートやスポーツのイベントを行ったそれまでの経験から、地元の商店街などと連携しながら場 所をレンタルし、運用するノウハウがあった。

松戸市内の空き物件を同社が借り上げ、アトリエを必要とするアーティストなどにサブリースする「脱東京不動産」というビジネスを立ち上げた。一般の不動産屋が取り扱う物件ではなく、古民家やガレージなど多少の不具合があっても自由に改装ができるようなものを取り扱う。

ここ数年、「ネクタイをしない職業の人が、都心から郊外へ移住する傾向があった」(寺井氏)。そこで、友人から紹介された松戸市で空き物件の調査を 行った。自分たちの拠点をつくるため、駅前で空きスペースとなっていた物件を借り、MAD City Galleryをオープンさせた。ここは、シェアオフィス件イベントスペースとして運用中だ。

MAD City Galleryがある場所は、地元の祭りで御輿が通るような場所。このため、「お祭りのときには事務所を解放し、スタッフは御輿を担ぐこと」という賃貸の 特約事項があるそうだ。寺井氏は、「まちの良さをたくさんプロモーションして、コミュニティを生んでいきたい」と話す。表参道や原宿からの移住者が増える ことを狙うという。

「MAD」とは「まつど」を言い換えたものだが、さまざまな意味がある。「ばかげている」という対訳もあるが、「MAD動画」など、既存のものを個 人が編集するという意味でも使われる。まちに関わる個人個人が、どのようにクリエイティブなまちの編集に参加できるのか、期待は高まる。(オルタナ編集 部=有岡三恵)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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