新連載--「環境難民」はジブンごと!? 第1回・総雨量2000ミリ時代の日本

――雨が多いことで知られている紀伊半島で今回、被害が発生したのは意外な印象を受けるが

日本近海の100年後の海水温変化の予測。現在よりも2℃以上上昇(日本気象協会プレスリリースより引用)

これまで紀伊半島は総雨量1000ミリ程度の雨には幾度か見舞われてきたが、今回それを倍する2000ミリの雨が降った。それまで耐えていた雨量水準をはるかに超えてしまった。

実は日本全体で過去100年間の雨量を見てみると、年間雨量にさほど大きな変化はなく、ほぼ横ばいの状態だ。ところがこの30年間で、降る時と降らない時との雨量の差が大きくなっており、極端な大雨が増えている。

九州南部や四国、紀伊半島などでは、台風からの湿った空気がぶつかり大雨となる山間地がある。深層崩壊のメカニズムは解明されていない点も多いが、一度に記録的な雨量の大雨が降ると発生しやすくなるのではないか。

――「今後100年で日本付近の海水温も現在の台湾近海並みに約2度上昇する」とシミュレーション結果が発表されており、レポートはその予想を注視している。この変化は気候変動によるものか

多くの研究者は、気温や海水温の変化が気候変動によるものだと考えている。そして、産業革命以降の温室効果ガスの増加が地球全体の気候に影響を与えている可能性は高い。日本にとっても今後、過去経験したことのない気候変化に見舞われることになるだろう。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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