「水」で蓄電と発電、R水素の燃料電池

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500ワットタイプのZEEPの内部。タンクの水を円盤状の装置で電気分解する(青い水素ボンベの高さが約30cm)

家庭の電気使用量は、家族がそろう夜8時ころピークを迎える。しかし、この時間帯に太陽光発電は機能しない。昼間の余剰電力を貯める蓄電池の導入が始まっているが、「水素で貯めて」夜に自家発電する方法もある。

FC-R&D(エフシーアールアンドディー、神奈川県相模原市)は、水を電気分解して水素を取り出す燃料電池システム「ZEEP(ジープ)」を2011年4月に発売した。純水装置を経由すれば、雨水や水道水でも発電できる自立型電源だ。

燃料電池は水素と酸素を反応させて電気を生み出すクリーンな電源だ。しかし家庭用燃料電池、通称「エネファーム」の場合、水素を取り出す過程でLPガスや都市ガスを燃やして二酸化炭素を排出している。

自然エネルギーで水から取り出した水素、いわゆる「R(リニューアブル)水素」を燃料電池に投入すれば、電気と少しの反応熱と酸素しか出てこない。R水素の貯蔵で、よりクリーンな電気の自給自足が実現する。

「ZEEP」の水素ボンベは、吸蔵合金で水素を固体化する。ガスより安全で省スペースだ。長期保存や10万回以上の繰り返し使用にも耐える。気体状態で約500リットルの水素がボンベ1本に詰まっており、100ワット10時間分の発電が可能。なお、ボンベ1本分の水素を取り出すのに必要な水の量は、わずか500ミリリットルだ。

ただし、投入エネルギー100に対して出力できるエネルギーは50~60なので、完全自立のためには昼間に十分な発電量を確保する必要がある。同社は利用者の条件に合わせて太陽電池の設置規模やシステムの構成を変える。これまで主に自治体などに非常用電源として納品してきた。

同社の売り上げは、年々10~15%増の右肩上がりで推移している。中島宏社長は「太陽光発電導入後に停電を避ける目的で導入されるケースが多い。震災後は地域分散型エネルギーを目指す自治体などからの問い合わせが増えた」と語る。

同社は2012年2月29日から開催される「第8回 国際 水素・燃料電池展」に出展して、実機を展示予定だ。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)

FC-R&D

R水素ネットワーク

 

2011年12月19日(月)11:33

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