ヒューマン・ライツ・ウォッチ、水銀使用した金鉱山での児童労働禁止呼びかけ

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ウルグアイ川

水銀を規制する国際条約成立に向けて、国連環境計画(UNEP)のもと、ウルグアイで「水銀条約政府間交渉委員会第4回会合」が27日から開催されている。条約は2013年後半に成立する予定だ。

手掘りおよび小規模金採掘は、水銀を使用する世界最大のセクターの1つだ。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチはアフリカ・マリでの調査で、わずか6歳の子どもまでもが、健康への影響についてほとんど知識がないまま、日常的に水銀を使って働いている実態を明らかにした。

世界では子どもを含む少なくとも1300万人の人びとが手掘り金鉱山で働き、原石から金を抽出するのに水銀を使用しているという。

水銀は中枢神経を侵し、震えと痙攣、記憶喪失、脳障害、その他の神経疾患や行動障害の原因となる。水銀はとりわけ子どもに有害で、発達上の問題や脳への回復不可能な障害を引き起こすことがある。国際人権法上、危険な物質やプロセスを伴う労働は、児童労働の最悪形態の1つに分類されている。

フランス、英国、米国などの政府は、手掘り金鉱山に関する自主的なアクションプランを支持。本条約の下では、義務的アクションプランであれば援助国・機関の財政支援制度によって資金支援されることになるとみられるものの、自主的措置であればそうはならないとみられている。

ヒューマン・ライツ・ウォッチの子どもの権利上級調査員のジュリアン・キッペンバーグ氏は「水銀使用削減のため、そしてその悪影響に対処するため、新たな水銀条約には、手掘り金採掘に関する義務的かつ詳細なアクションプランが必要だ」と語る。

「現時点では、手掘り金採掘における水銀使用にかわる簡単な代替策はないが、使用量の大幅削減と悪影響をしっかりコントロールすることは可能だ。アクションプランには、レトルト(水銀蒸気を捕える容器。金鉱石精錬用の耐火性円筒形容器)導入と共に、水銀を使用しない技術の開発が盛り込まれるべきだ」という。

さらに、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、条約交渉が公衆衛生よりも環境対策となっている点を批判。本条約に、鉱山労働者のみならずすべての住民向けの、しっかりした公衆衛生政策の義務化も盛り込むよう要請している。国の保健システムには、水銀中毒の防止に関する教育と共に、水銀曝露に対する治療の態勢も必要なためだ。(オルタナ編集部=吉田広子)

2012年6月27日(水)13:15

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