日本版FIT開始を記念しフォーラムを開催

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風力発電の現状を語る経産省の村上敬亮氏

日本版のFITが7月1日にスタートした。その3日目に、オルタナとコモンズ投信の主催で「自然エネルギーの未来」フォーラムが開催された。

経済産業省 資源エネルギー庁 新エネルギー対策課の村上敬亮課長が招かれ、制度開始の背景や自然エネルギーの展望を語った。

「再生エネルギーの固定価格買取制度」は、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスの5つの自然エネルギーについて、優先的に固定価格で買い取ることを電力会社に義務付けた。買い取りにかかる料金は、電気を使う国民が広く負担する。

水力を除く日本の自然エネルギーは、2010年時点で、足し合わせても電力全体のわずか1%に過ぎない。現行の「エネルギー基本計画」に掲げた10%まで伸ばすには、全国100カ所に大規模なウィンドファームをつくるなど、各エネルギーの大幅な増設が必要だ。

さらに、新しい計画で政府は約20%を目指そうとしている。村上氏は「省エネや火力・原子力には限界がある。エネルギーの安定供給のためには、再生可能エネルギーを育てる以外にない」と、FIT開始の背景を語る。

しかし、風況の良い北海道でつくった電気を東京に運ぶための電線が足りない。平置きの駐車場に太陽光パネルの屋根を付けると容積率にかかわる。世界3位の資源量を誇る地熱も、温泉事業者との調整や、自然公園内での開発といった課題を抱えている。

村上氏は同制度を車にたとえて「価格アップは片方の車輪。もう片方の車輪は、系統の拡充と規制の緩和。両方が回らないと『FIT号』は前に進まない」と説明した。

固定価格は、集中導入期間として最初の3年間は特に高く設定されている。期間内に導入すれば、高価格のまま20年間の買い取りが保証される。村上氏は「これを機に本格的に多くの事業者に参入してほしい」と語り、「戦える産業構造」の必要性を強調した。

フォーラムには、主催者の他に小型風力のゼファー、太陽光の資源総合システム、バイオマスのユーシャ・ジャトロファプランテーション、地熱開発協議会の代表者も登壇。FITの効果に期待を込めた。(オルタナ編集委員=瀬戸内千代)

2012年7月5日(木)9:58

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