米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機を載せた民間輸送船が米軍岩国基地(山口県岩国市)に入港し、23日早朝から陸揚げ作業が始まっている。
米軍が運用するオスプレイは開発段階から墜落事故が相次ぎ、今年も4月にモロッコ、6月に米フロリダ州で墜落事故を起こした。米軍は6月の事故の原因調査を進め、安全を確認した上で8月にも岩国基地で試験飛行を行うとしている。
オスプレイの安全性について米海兵隊は「過去10年で従来機より最も低い事故率」などと安全性を強調。一方、2010年にアフガニスタンで発生した同機の墜落事故で、事故調査委員長を務めたドナルド・ハーベル米退役空軍准将が「エンジン故障」を事故原因とする報告書をまとめたことに、上層部が「操縦士の責任」と変更するよう圧力をかけていたとも伝えられる。
岩国市基地政策課の担当者は23日午前、「6月に発生した事故の調査結果も待たずに陸揚げすることには市として反対だ」と話した。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年7月23日