東武鉄道は8日、電車が減速時に発電して生じる「回生電力」を貯蔵し、有効利用する装置を東武東上線に導入したと発表した。同装置の導入は同社線内では初めてという。
回生ブレーキがある電車は減速時に発電する。東武鉄道が今回導入した「電力貯蔵装置」は、この時に生じる回生電力の内、他の電車に供給されなかった分をリチウムイオン電池に充電。同設備は「上福岡き電区分所」に設置され、同施設に近づいた電車に蓄えた電力を供給する仕組みとなっており、省エネ効果が期待できる。
同装置は東洋電機製造とGSユアサが納入。2社では鉄道用電力貯蔵装置を2006年8月から販売している。回生電力を電車運行に活用する取り組みはJR東日本などが行うほか、JR西日本も7月に14年度末の実用化を表明したばかり。一方、三菱電機は余った回生電力を駅の電源補助に使う実証実験を東京メトロ東西線で8月中旬から始める。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年8月9日