希代 準郎
作家・ジャーナリスト
愛知県生まれ、上智大卒。日常に潜む闇と、そこに開ける不安と共感の異境の世界を独自の文体で表現しているシュートショートの新たな 担い手。この短編小説の連載では特にNPOという新たな動きに注目、そこに関わる群像を通して、生きる意味、生と死を考える。

2017/08/04

泥んこシルクロード

「ショート・ショート」(掌小説)こころざしの譜(8)  遠くうっすらと稜線を残して山々が連なる。それを背に草原を駆け抜ける馬の群れ。草はまばらで土煙があがる。ド、ド、ドと地響きを立てて疾走している数は二十頭を超える。一人 […]...続きを読む »

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2017/07/04

ホームレスに恋をして

「ショート・ショート」(掌小説)こころざしの譜(7)  華やかなネオンの谷間に沈んだようにして灰色のドヤ街はあった。女子大生の私は大学院に進み、ホームレス支援の活動を続けながら貧困をテーマに修士論文を書こうとしていた。ド […]...続きを読む »

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2017/06/28

「蝶の舞い」とドラムスティック

「ショート・ショート」(掌小説)こころざしの譜(6)  日が落ち、闇がさびれた工場に溶け始めた郊外の街は静まり返っていた。時折、パトカーが通り過ぎ遠くで犬の吠える声がするくらいで人通りはない。古いビルの角を曲がり三階まで […]...続きを読む »

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2017/04/27

中国人難民を助けた男、NGOのパイオニア

「ショート・ショート」(掌小説)こころざしの譜(5)  原発事故で新しい街に引っ越した。私がその一風変わった男を見かけたのは、ハローワーク通いが休みで、自宅近くの商店街をぶらぶら歩いていた冬のある日のことだった。何やら人 […]...続きを読む »

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2017/04/11

モリンガをアフリカの女たちが植える日

モリンガをアフリカの女たちが植える日――「ショート・ショート」(掌小説)こころざしの譜(4) まもなく着陸するという雑音交じりの機内アナウンスに日菜は窓の外に目をやった。一面に茶褐色の乾いた大地が広がり、ところどころ、枯 […]...続きを読む »

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2017/02/07

私?難民ですけど――「ショート・ショート」(3)

私?難民ですけど――「ショート・ショート」こころざしの譜(3) 早いものでもう6年になる。 悪魔の舌が模型のような街をなめていく映像にトゥレイン・ヘイン・テインは息を飲んだ。東京・高田馬場に開いた掘っ立て小屋のようなミャ […]...続きを読む »

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2016/12/28

陰徳5人衆 「ショート・ショート」こころざしの譜(2)

歳末の人込みでにぎわう夕暮れのアメ横を背に上野公園の方角へ5人の男が歩いている。みな長身でがっちりした体格だ。 コートの襟を立てているが、よく観察すれば、どこかで見たことのある顔だとわかるのだが、せかせかと家路を急ぐ人た […]...続きを読む »

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2016/10/27

小鳥遊レストラン――「ショート・ショート」こころざしの譜(1)

「ショート・ショート」(掌小説) こころざしの譜 小鳥遊レストラン 高梨義範の朝は早い。蒸し暑さを感じながら庭で草をむしっていると、孫の霞子がベッドに臥せたままこちらをうかがう様子である。 クヌギの古木から樹液がしみ出て […]...続きを読む »

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