「GRAPHIS(グラフィス)」は、自ら主催するクラブイベントの収益や自主制作CDの販売収益などを原資に、カンボジアで学校や診療所を建設し、運営している学生医療支援NGO。毎年夏に現地を訪問する彼らの途上国支援活動とは。(聞き手:今一生)
オルタナ17号P46からの続き

川崎 これまでのクラブイベントは若者に伝えるものでしたが、今回の映画上映イベントでは親も巻き込んで伝えられたらと思ったのです。この映像はDVD化を考えていて、もちろんカンボジア支援のチャリティ収益になります。
少し前まではもっとグラフィスを有名にすることを考えていたんですが、本と映画で有名になり、僕らの代はリスクを背負うことにもなりました。例えば、本が出たらアマゾンのレビューに批判的なことを書く人がいたり、活動に肯定的でない人も出てきたりしました。
蚊野 「140万円借金するぐらいならやらずに、働いて貯めろ」という意見もありました。
川崎 クラブイベント自体を楽しんでもらうことが何かにつながったり、600人の参加者の一人でもきっかけになってくれたらうれしいです。なにか熱いことをやりたいと思って入ってくる人もいますし、僕もグラフィスの活動前は同世代と熱くなれることがなかったので、長時間の話し合いも苦じゃないですね。
高橋 クラブイベントに来る人には、それまでボランティアに興味のなかった人でも、そこで気づいてくれる人がいるのです。
川崎 僕らのコンセプトは、「学生だからできる」というところが魅力。自分たちのやれる範囲、無理をしないで出来る範囲で、下の世代に迷惑かけない程度に企業と組んでいくことも考えています。もっとみんなが個々に活動し、意識を持たせることに力を入れたい。運営メンバーが75名いても、そこには意識の差があります。ミーティングに来ない人もいる。1年で世代交代なので、マスコミ対応も難しく、統制がとりにくくなってしまうので、とりあえずは継続のために内部の統制に目を向けたい。
あくまでもグラフィスのコンセプトは「カンボジアの現実を伝える」ことにあります。行動するというのが難しいという人は多いし、何かやりたいという人を実際に行動させることも難しいとは感じています。
高橋 確かにメンバー自体もいろんな人が混在していて、活動への温度差もありますが、グラフィスが続いていけば、カンボジア支援をもっと展開できるので、なくなってほしくないですね。世代交代前にメンバー間のモチベーションを高め、もっと多くの人に知らせたい。そういう意味で映画は意味があります。学生には限界ラインがあるので、多くの人に知らせることでさらに多くの効果が生めると思うので、広めたいです。
蚊野 「ラブチャリ」には僕らのように首都圏で活動している団体以外にも、いっぱい同世代の仲間が全国にいるので、ぜひホームページで知ってほしいですね。
川崎 グラフィスの活動自体は初代の段階で知名度を上げてきたので基盤はできていますが、僕たちの代で行事の運営、ミーティングの会場を確保、スタッフへの連絡・報告、新メンバーの対応を行う「運営部」と、企業とグラフィスの懸け橋となって、イベントゲストに出演交渉する「渉外部」、そして動画制作やビラ、チケット、ホームページなどを手掛ける「制作部」の3つにスタッフを振り分けました。
参加したい方は、ぜひグラフィスのホームページから連絡ください。
(2010年02月05日掲載)