中国政府、新規の高炉建設禁止へ: 大気汚染対策で

記事のポイント


  1. 中国政府は12月7日、大気汚染の改善に向けた行動計画を発表した
  2. 改善傾向にあるPM2.5の濃度を、2025年には20年比で10%削減する
  3. 新規の高炉建設を全国規模で禁止し、電炉等への移行を促進する

中国政府は12月7日、大気汚染改善に向けた新たな行動計画を公表した。大気中のPM2.5(微小粒子状物質)の濃度を2025年までに2020年比10%削減するほか、新規の高炉建設についても「厳禁」とした。低炭素社会実現のために汚染物質の排出量を厳格に管理し、グリーン産業の育成も促進する狙いからだ。(オルタナ編集部・北村佳代子)

中国は、鉄鋼生産能力の新設・増設を「厳禁」とする

新たな行動計画では、2025年までにPM2.5の濃度を2020年比で10%削減するほか、「重度」以上の大気汚染発生日数を毎年1%未満に抑える。窒素酸化物(NOx)と揮発性有機化合物(VOCs)の排出量についても10%以上の削減を目指す。

重点地域は、北京市・天津市・河北省とその周辺地域、長江デルタ地域(上海市、江蘇省、浙江省、安徽省)、そして汾渭(ふんい)平原地域(山西省・陝西省・河南省の一部)だ。

これまで中国は、13年に「大気汚染防止行動計画」、18年には「青い空を守るための戦いに勝利するための行動計画」を発表し、大気汚染対策に取り組んできた。これらを引き継ぐ形で、新たに国務院が「空気質量持続改善行動計画」を公布した。

中国主要都市のPM2.5の平均濃度は、13年から22年まで9年連続で下降(累計57%低下)し、重度の大気汚染発生日数も93%減少した。ただ一方で、4分の1以上の都市が、PM2.5の基準値(1立法メートルあたり40マイクログラム)を満たしていないと中国メディアは報じている。

■中国全土で新規の高炉建設は「厳禁」に
■主要都市の公共交通機関の8割を「新エネルギー車」に

有料会員限定コンテンツ

こちらのコンテンツをご覧いただくには

有料会員登録が必要です。

北村(宮子)佳代子(オルタナ副編集長)

北村(宮子)佳代子(オルタナ副編集長)

オルタナ副編集長。アヴニール・ワークス株式会社代表取締役。伊藤忠商事、IIJ、ソニー、ソニーフィナンシャルで、主としてIR・広報を経験後、独立。上場企業のアニュアルレポートや統合報告書などで数多くのトップインタビューを執筆。英国CMI認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナー。2023年からオルタナ編集部。

執筆記事一覧
キーワード: #脱炭素

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..