アップサイクルブランドの先駆者として知られるスイス発「フライターグ」。トラックタープ(幌)やシートベルトといった廃棄品を使ったバッグ類は日本でも人気だ。このほど単一素材のみを使用した初の循環型バックパックを開発し、2024年春にも販売する。(オルタナ副編集長・吉田広子)
![24春発売の単一素材でできた循環型バックパックⒸOliver Nanzig](https://cdn.alterna.co.jp/wp-content/uploads/2023/12/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B0%E5%86%99%E7%9C%9F-530x318.jpg)
創業者のダニエルとマーカス・フライターグ兄弟は1993年、トラックタープを再利用したメッセンジャーバッグを制作した。
もともとは自転車好きな2人が、自分たちのために作ったものだった。防水素材を探していたところ、自宅前を走るトラックの色とりどりのタープが目に入り、素材として使ってみることにした。
そうしてできたメッセンジャーバッグは、周囲の評判を呼び、事業化することになった。99年には初のフライターグストアをオープンし、00年には、オンラインストアを開設しグローバル市場に進出。11年、アジア初の旗艦店が東京・銀座にオープンした。
現在、世界20カ国以上で約300店舗を展開している。
![ダニエルとマーカス・フライターグ兄弟が1993年に創業ⒸRoland Tännler](https://cdn.alterna.co.jp/wp-content/uploads/2023/12/danielmarkusfreitag-5-rolandtaennler-354x530.jpg)
創業以来一貫しているのが、「ウィ・シンク・アンド・アクト・アクション(循環を考え、行動する)」という理念だ。
同社は、再生素材はもちろん、製造工程にもこだわる。工場では再生可能エネルギーを使用するほか、汚れたタープは建物の敷地地下で貯めた雨水で洗浄する。
修理サービスも充実させ、修理期間中は代わりとなるバッグを借りることもできる。好みが変わったり、飽きたりしても、ユーザー同士で交換できるマッチングサービスも展開する。
■大規模セールに「ノー」突き付ける