有楽町マルイに聞く、消費者の再エネシフト最前線(前編)

有楽町マルイのエポスカードセンター

■UPDATER×丸井グループ

UPDATER(東京・世田谷)が運営する「みんな電力」は2020年9月から、丸井グループとの協業で、エポスカード会員向けの電力プラン「みんな電力 エポスプラン」とクレジットカードの「みんな電力 エポスカード」を展開している。「みんな電力 エポスカード」はカード1枚につき1000円が応援金として「顔が見える」再生可能エネルギー発電所に寄付される仕組みだ。UPDATER の間内賢・共創・コミュニケーション部マネージャー(当時)が、全国トップの申込数を誇る有楽町マルイのスタッフ佐野さんに、再エネシフトの現状を聞いた。

【「みんな電力 エポスプラン」とは】
エポスカードをお持ちのかたがお申し込みいただける、再生可能エネルギー100%の電力プランで、毎月の電気代から0.5%分が森林保全のために使われます。また、「みんな電力」の電力プランは、毎月100円をお好きな発電所に応援金として送れる取り組みも行っています。

【「みんな電力 エポスカード」とは】
国際ブランド付きクレジットカードとして日本初の「廃棄プラスチックのリサイクル素材」を使用したこのカードは、従来のクレジットカードと比べて1枚あたり最大9.8gの二酸化炭素が削減されることで、環境負荷を減らした設計になっているほか、カードをつくると1枚につき1000円が応援金として「顔が見える」再エネ発電所に寄付されます(お客さまの負担はありません)。寄付された応援金は、再エネ発電所の維持管理や新規開発などに使われるため、再エネ電気の生産者支援につながります。

娘との会話で気付いた「消費者の目線」

――佐野さんはエポスカードカウンターで「みんな電力 エポスプラン」を案内されていますが、最初から順調だったのでしょうか。

3年ほど前、私が博多マルイにいたときに、「みんな電力 エポスプラン」が始まり、お客さまに案内することになりました。はじめは「カードセンターで電気の案内をするの?」と、少し戸惑いました。

カードセンターでは、これまで丸井グループが取り扱うtsumiki証券や携帯電話料金のクレジットカード払いへの変更手続きなどを案内していました。でも、「みんな電力 エポスプラン」の場合は、電力会社を変えることになりますので、説明が難しかったです。

半年間ずっとお客さまへのおすすめの仕方を模索していて、「ただの一般人なのに、電気の質問をされたらどうしよう」と、ドキドキしていました。

――何が転機になったのでしょうか。

夫が「とりあえずやろう。やってみないと分からない。会社として取り組むプロジェクトだし、良いことじゃないか」と、背中を押してくれたのです。自分でも、「みんな電力」のアプリを使ってみることにしました。そこから自宅でも、自然と電気についての話をするようになりました。

娘がマンションで暮らしているのですが、「みんな電力」のマイページをよく見ていて、「何か素敵だよ」という話をしてくるのです。「長野の発電所が良い感じ」と言って、返礼品が届いた写真も送ってきました。

娘からは「丸井として、こういう素敵な電気を紹介するのって良いことだね」と言われました。その時、消費者の目線に気付いたのです。

家族でも、「みんな電力」の魅力がどうやったら伝わるか、夕食を食べながら話をすることもありました。せっかくエポスカードを持っている人が多いのだから、まずエポスカードの良さから伝えることにしたのです。

■若い世代も気候変動対策に共感

――エポスカードの魅力を伝えてから、気候変動について話をするのですね。

エポスカードを作ってもらった人には、エポスアプリの使い方を説明するのですが、「家計」の機能では、電気・ガス・水道の料金がまとめて確認できます。光熱費の管理がしやすく、お客さまに喜ばれているアプリです。

エポスアプリの「家計」の機能では、電気・ガス・水道の料金がまとめて確認できる

その流れで、地球環境に配慮し、「顔の見える電力」を推進する「みんな電力」について話します。支払い先が変わるだけで、好きな発電所を応援できたり、返礼品がもらえたりするユニークな取り組みです、と。

大手企業もたくさん契約していて、丸井グループも全面的に応援していることを伝えると、お客さまの反応が良いです。気候変動に対する危機感も高まっていますから、若いかたも意外と共感してくれるかたが多い。こんな話をしていくうちに、まったく興味を持たない人はいないのだと考えるようになりました。

私も家では、ペットボトルはできるだけ買わない、ごみの分別は真面目にする、エコバッグを持ち歩くといった微々たることしかできていないのですが、人間はだれしも「地球に良いことをしたい」という思いがあるのではないでしょうか。

30分毎の電力使用量をアプリで確認

――お客さまとコミュニケーションをとる際にどんな工夫をされていますか。

お客さまが「みんな電力 エポスプラン」への切り替えを決心してくれるのは、「みんな電力アプリ」の管理画面を見せながら、切り替えるとどうなるのかを具体的に説明をしたときです。

支払い方法やポイントのおトクさは分かっていても、口座振替やクレジットカードの請求がきて、額面を確認して終わり。いつの間にか引き落としされていて、関心がない人がほとんどだと思います。

「みんな電力アプリ」では30分毎の電力使用量が確認できる

「みんな電力アプリ」では、発電所の情報や応援金がどう活用されたか、お礼のメッセージが届きます。

また、毎月の電気料金のうち100円をお好きな発電所に応援金として送れるサービスでは、発電所で作られた産品とともにお手紙を返礼としてもらえることもあり、「発電所からメッセージや食品などの産品をいただけると、やっぱり嬉しい」という声もあります。

もう一つ、お客さまに喜んでいただける点が、電力使用量が見えるマイページです。例えば、自宅でお昼ごはんを食べる時間には、電力使用量が一気に上がります。電気ケトルでお湯を沸かしていたり、電子レンジを使うなどをするからですね。夜、ドライヤーやアイロンを使っている時も上がります。「30分刻みでこんなのが見られるんだ」と、驚かれますね。

切り替えた後に何が起こるか、「みんな電力アプリ」をどう使えば良いのかが分かると、安心して、電気を切り替えようと思ってくれるようです。

――「みんな電力 エポスプラン」の反響はどうですか。

申し込み件数は増えています。有楽町マルイのカウンターだけで、多いときは月に80人以上のお申し込みがあります。一度、カウンターで説明をして、申し込みをすると1000円相当のポイントをプレゼントできるご案内カードに日付を書いて渡したところ、3カ月ぶりに戻ってきてくれた女性もいらっしゃいました。

その女性は、電気の検針票を一緒に持ってきてくれて、「いつか切り替えようと思っていたのですが、仕事が忙しくなかなか来られなかったのです」とおっしゃっていただき、本当に嬉しかったです。「環境に配慮した電気に変えたい」、あるいは「変えてもいいよ」という人は、意外といらっしゃいます。

――地球に良いことをしたいけど、タイミングもきっかけもない――と思い込んでいるかたは、お近くのマルイ・モディのエポスカードセンターへ、お買い物ついでにぜひ立ち寄ってみませんか。おうちの電気を切り替えるだけでも、CO2削減に貢献できたと思えるはずです。

■みんな電力 エポスプラン
エポスプランは、再生可能エネルギー由来の電気に、再生可能エネルギー指定の非化石証書の環境価値を組み合わせることで、再生可能エネルギー100%の電気を供給いたします。また、CO2排出量もゼロとなります。

(PR)UPDATER 

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

執筆記事一覧
キーワード: #サステナビリティ

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..