スタバ、環境配慮店への「店長留学」で店内リユース率高める

記事のポイント


  1. スタバは店内のリユース率を高めるための施策として「店長留学」を行う
  2. 環境配慮型の店舗で他店の店長が働き、顧客のニーズを学ぶ取り組みだ
  3. 店長留学によって、店内のリユース率が10ポイント以上向上した店舗も

スターバックスコーヒージャパンは店内のリユース率を高めるための施策として、「店長留学」を行う。環境配慮型店舗で他店の店長が働き、顧客のニーズや提案方法などを学ぶ取り組みだ。「店長留学」によって、店内のリユース率が10ポイント以上向上した店舗もある。(オルタナ副編集長・池田真隆)

「店長留学」によって、リユース率を高めるポイントを共有する

同社では店長留学を2023年12月から行う。環境配慮型店舗の国際認証「Greener Stores Framework」を取得した皇居外苑和田倉噴水公園店(東京・千代田)が留学先の店舗だ。

同店舗の店内リユース率は約8割に及ぶ。丸の内や大手町、銀座エリアなど近隣の店長が約3時間、同店で働く。マグカップやグラスの提案方法など、環境に配慮した店舗になるために必要な知見を学ぶ。2024年3月時点で、50人ほどが留学を経験した。

アイスビバレッジ用の樹脂製グラス

スターバックスは、「リソースポジティブカンパニー」を掲げる。「2030年までにCO2排出量、水使用量、廃棄物量50%削減」がグローバル目標だ。

昨年3月27日には全国約1800店舗で、アイスビバレッジ用に樹脂製グラスでの提供を始めた。

樹脂製グラスを導入して1年が経過した。当初は切り替えによって約100トンの廃棄物削減につながると見込んでいたが、約482トンの削減につながったと公表した。

使い捨てプラスチック削減に向けた取り組み

同社の古川大輔・サプライチェーン本部サステナビリティ&資材購買部部長は、「樹脂製グラスは、スターバックスのサイレンロゴを配したシンプルなデザインで、見た目も美しく、豊かな味わいを感じられる点をしっかり伝えるようにした。環境貢献を押し出し過ぎずに、気軽に参加できるサステナブルな選択肢として受け入れて頂けたと考えている」と話した。

切り替えが進んだ要因として、手描きのボードもある。「店舗のボードでは、パートナー(従業員)が手描きで、分かりやすく樹脂製グラスを提案したり、使い捨てカップの削数効果などを伝えたり、スターバックスならではのコミュニケーションを図った点も共感を得た要因だった」(古川部長)。

各店舗のパートナーが自分で考えた言葉で樹脂製グラスを提案する
M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナS編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナS編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #脱炭素

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