「日本のジーンズの都」にソーシャルプロダクツ・アワード大賞

記事のポイント


  1. 第11回「ソーシャルプロダクツ・アワード2024」の結果発表があった
  2. 年度テーマの大賞には「児島ジーンズストリート構想」が輝いた
  3. 自由テーマの大賞は「サスティナブル防災システム」だった

ソーシャルプロダクツ普及推進協会(東京・中央)は3月26日、第11回「ソーシャルプロダクツ・アワード2024」の大賞・優秀賞などを発表した。年度テーマの大賞には、児島ジーンズストリート推進協議会(岡山県倉敷市)の「『日本のジーンズの都』児島ジーンズストリート構想による商店街再生・産業の活性化」を選んだ。(オルタナ総研・坂本雛梨) 

「ソーシャルプロダクツ・アワード」は、デザインや機能などの「商品性」と、社会・環境問題を解決する「社会性」も兼ね備えた商品・サービスを表彰する制度だ。優れたソーシャルプロダクツの情報を生活者に広く提供し、ソーシャルプロダクツを通して持続可能な社会づくりに取り組んでいる企業、団体を応援している。

第11回「ソーシャルプロダクツ・アワード2024」は、年度テーマ「地域を元気にする観光ソーシャルプロダクツ」、自由テーマ「生活者が『持続可能な社会』づくりに参加できる商品・サービス」を募集した。

国産ジーンズ発祥の地・倉敷市児島には、国内外から多くの観光客が訪れるという
国産ジーンズ発祥の地・倉敷市児島には、国内外から多くの観光客が訪れるという

年度テーマの大賞に選んだのは、児島ジーンズストリート推進協議会の「『日本のジーンズの都』児島ジーンズストリート構想による商店街再生・産業の活性化」だ。

岡山県倉敷市の児島地区は江戸時代から続く繊維産業・国産ジーンズ発祥の地で、優れた裁断・縫製・加工技術がある。同協議会は「産地全体を世界一にしたい」との思いで、同市内にある「味野商店街」の活性化に取り組む。

ジーンズを切り口とした「児島ジーンズストリート構想」を立ちあげ、シャッター街だった商店街の空き店舗にジーンズショップを中心に誘致した。現在、商店街には48のショップが並び、年間25万人もの観光客が訪れるようになった。

7年、10年の保存食シリーズ、パッケージデザインにもこだわっている
7年、10年の保存食シリーズ、パッケージデザインにもこだわっている

自由テーマの大賞には、グリーンデザイン&コンサルティングの「サスティナブル防災システム」を選んだ。

同社は、7年間長期保存ができ、調理不要でそのまま食べられるレトルトごはんや保存水、クッキー、パン、おかずなどを企画する。官公庁、自治体、企業、学校、病院、空港などに納品する。

「いつでも、どこでも、だれでも食べられる保存食」をコンセプトにする。食物アレルギーや多言語化(30言語)にも対応し、ハラール認証も取得した。

講評を述べる高橋義則・自由テーマ審査委員
講評を述べる高橋義則・自由テーマ審査委員

自由テーマ審査員の高橋義則さんは「社会課題を解決する商品・サービスを開発するには、課題を感じている当事者とは誰なのかを考え、その誰かのためにデザインする姿勢が必要だ」と強調した。

「それがSDGsの原則『誰一人取り残さない』にもつながる。ソーシャルプロダクツ・アワードは、素晴らしい作品を世間に広めるプラットフォームである。応募者、受賞者同士でノウハウを共有し、次のソーシャルプロダクツを作るきっかけにしてほしい」(同氏)。

第11回「ソーシャルプロダクツ・アワード2024」の受賞企業/団体の商品・サービスは以下の通り。
◆大賞
<年度テーマ>
・児島ジーンズストリート推進協議会「『日本のジーンズの都』児島ジーンズストリート構想による商店街再生・産業の活性化」
<自由テーマ>
・グリーンデザイン&コンサルティング「Sustainable 防災 System」(サスティナブル防災システム)

◆優秀賞
<年度テーマ>
・長良川流域観光推進協議会/特定非営利活動法人ORGAN「長良川流域SDGs×探究旅行」
<自由テーマ>
・錦城護謨「視覚障害者歩行誘導マット『歩導くんガイドウェイ』」

◆生活者審査員賞
<年度テーマ>
・日産自動車「電気自動車を活用したサステナブルツーリズムへの取組み」
<自由テーマ>
・合同会社 知己「WORLD CONNECT COLA」

◆環境大臣特別賞
<年度テーマ>
・三豊市観光交流局「父母ヶ浜協力金を活用した持続可能な観光地づくり」
<自由テーマ>
・テーブルカンパニー「吉野の森から始まる誰もが嬉しい循環活動」

第12回「ソーシャルプロダクツ・アワード2025」は、年度テーマ「令和6年度能登半島地震からの震災復興につながる商品・サービス」、自由テーマ「生活者が『持続可能な社会』づくりに参加できるソーシャルプロダクツ」として、2024年7月から応募を受け付ける予定だ。

オルタナ総研

オルタナ総研

サステナビリティ経営に特化した「オルタナ総研」は、株式会社オルタナの事業部の一つとして、2012年に設立しました。 各企業、NPO/NGOなど幅広いステークホルダーとのエンゲージメントによる経験を活かし、多様なニーズに呼応できるコンサルティングサービスを行っています。

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キーワード: #サステナビリティ

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