障がい者や引きこもりを積極的に採用し、その個性を生かした仕事を任せることで、自立可能な働き方を目指すアイエスエフネットグループ。渡邉幸義代表が障がいを持つ子の親と対話し続け、自立した社会人になるための子育て論を展開しているのが『お母さん、障がいの子どもを応援しますよ。』(学研パブリッシング)だ。(オルタナ編集部)
障がい者が自立できること。それが親のゴールであり、企業の障がい者雇用のゴールでもある。親と企業の思いに違いがあれば、対話して修正しなければならない。渡邉代表は「障がい者の就労には、年齢にかかわらず、親が大きくからんでいる。だから、けっして親の声を聞かずして、雇用はできない」と、会社と親の関係の重要性を主張している。
障がいを持つ子の親は、自分が死んだ後も、子どもが何とか自立できるように、さまざまな機関に相談しながら、切実な思いで就職先を探している。
本著では、障がいを持つ子を自立させる習慣や将来に備えたアクションについて、多くの助言が書かれている。
例えば、採用試験時に面接をされるのではなく、むしろ親が面接する気持ちで企業を選ぶこと。子どもができる事をいち早く見つけて褒め伸ばしてあげることなどだ。
そこには、一人で悩み続ける親への励ましと、障がい者と普通にかかわりあえる社会になって欲しいという優しい願いが込められている。