モビリティトピックス: ホンダ、26年に次世代EV販売へ

オルタナ76号(2024年3月29日発行)の「モビリティトピックス」を紹介します。

ホンダ、26年に次世代EV販売へ

ホンダがグローバル展開する次世代BEVのコンセプトである「Honda 0シリーズ」を発表した。床面高を抑えられる薄型リチウムイオンバッテリーを使い、低全高で空力性能の高いフォルムを実現し、軽量化によりバッテリー容量を少なく留めながらも満充電で300マイルという航続距離を実現するという。

Honda 0シリーズ コンセプトモデル「サルーン」

注目は「サルーン」と名付けられた4ドアセダン。スーパースポーツカーのような平たいデザインながら室内は広々。しかも、何とほぼこのままのフォルムで2026年に市販化すると明言された。

2040年には販売する全車両をBEVもしくはFCEVにすると宣言しているホンダ。いよいよ、そのロードマップが明らかになってきた。

ホンダが新型FCEV、外部給電も

2021年のクラリティフューエルセルの販売終了以来、久々にホンダのFCEV(燃料電池自動車)が復活する。今夏の発売を予定してるのは「CR-V e:FCEV(イー・エフシーイーブイ)」である。

ホンダとGMの共同開発で、コスト3分の1、耐久性2倍を実現したというFCEVシステムを搭載するのは今や主流のSUVボディ。荷室はセダンより断然容量が大きく、幅広いユーザーに訴求できそうだ。

更に、日本メーカーのFCEVとして初めてプラグインハイブリッドを採用し、外部充電により約60kmの走行が可能。水素充填インフラの整備が進まない現状で、大きな武器となるだろう。販売は日本の他に北米でも。価格は未定だ。

メルセデス・ベンツ、全車EV化を撤回へ

「市場の動向に応じて」と冒頭に注釈を付けつつも、2030年には新車販売をすべてBEVにすると2021年に宣言したメルセデス・ベンツだったが、ここに来てその計画を撤回すると表明した。プラグインハイブリッド車など内燃エンジンを搭載する車両も引き続きラインナップしていく。

実はそう言いつつもメルセデス・ベンツ、中国の吉利(ジーリー)とともに2026年発売予定のプラグインハイブリッド車用の新エンジンの開発をすでに進めている。完全電動化は難しいと、実はしっかり予測していたというわけだ。

他も多くのメーカーが同様の動きを見せている。BEVシフトという喧騒が少なくとも一時的に勢いを失うことは間違いない。

ポルシェ「マカン」がBEVに

ポルシェのミディアムサイズSUV「マカン」がフルモデルチェンジで、全車BEVへと大転換を遂げた。2030年には販売するモデルの80%以上をBEVにするとポルシェは宣言しており、その一環である。

BEVになった新型マカン

奇しくもその登場のタイミングで世界ではBEV販売が急減速し、各社戦略の見直しを強いられている。ポルシェ自身も2-3年は内燃エンジン車と併売するとしていたが、現行マカンは新施行のサイバーセキュリティ関連法規をクリアできず、欧州ではもはや販売できない。さて一体、マカンの未来はどうなるのか。

新型マカンはもちろん日本にも上陸の予定。但し、内燃エンジンを積む現行モデルも少なくとも当面は併売になるはずだ。

キーワード: #脱炭素

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