米国大使館は辺野古の自然破壊を知らなかった?

■軍事担当者が会合仕切る

NGO側はさらに、辺野古に代わる基地移設案を検討しているのかと質問。すると軍事担当者の一人が突然立ち上がり「(辺野古への建設は)検討の末に決まったことだ」と答え、会合を終わらせた。1時間の想定で臨んだが、実際に意見交換できたのは30分ほど。「ケネディ大使に辺野古の海を見てもらえないか、とも聞きたかった」(関根氏)が、果たせなかった。

(左から)関根氏と関本氏=13日、都内で
(左から)関根氏と関本氏=13日、都内で

「こちらの質問に環境担当者が答える場面でも、横から軍事担当者が『ノーコメント』と割って入る場面もあった。質疑の主導権を握ろうとしていた」と関本氏。会合を振り返り「辺野古現地の状況について、直接米国側に情報提供できたのは大きな成果だった」と話す。会合の様子は翌5月1日、NGOのブログに掲載。会合について15日、米国大使館にコメントを求めたが、担当者が不在だった。

NGOは2月から、辺野古沖のジュゴンの保護を求める国際署名運動を展開している。13日時点で20か国、4万5千筆以上を集めた。5月中にもケネディ大使宛に提出する考えだ。

ケネディ大使は2014年1月、和歌山・太地町で行われているイルカの追い込み漁を「非人道的だ」とツイートして注目を集めた。同じく海洋ほ乳類であるジュゴンが生息する辺野古沖の現状について、果たして日本政府から米国大使館に十分に情報が提供されているのだろうか。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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