海外映画からブラックバイトを考えるシンポジウム

■誰かの支えがあれば立ち向かえる

シンポジウムは、アルバイト先で違法な労働環境を強要する「ブラックバイト」を専門に扱う労働組合「ブラックバイトユニオン」が主催。ユニオンの渡辺寛人代表、NPO法人POSSEの坂倉昇平氏、東大3年生で「政策立案コンテストGEIL」代表の中谷和馬さんらが登壇した。

(左から)NPO法人POSSEの坂倉昇平氏、ブラックバイトユニオンの渡辺寛人代表、東大生で「政策立案コンテストGEIL」代表の中谷和馬さん=20日、都内で
(左から)NPO法人POSSEの坂倉昇平氏、ブラックバイトユニオンの渡辺寛人代表、東大生で「政策立案コンテストGEIL」代表の中谷和馬さん=20日、都内で

当初、サンドラは「自分は価値がない人間だ」と自己を卑下しているが、「絶対に説得できる」と夫が励まし続けることで、勇気を振り絞って同僚を訪ねていく。作品について渡辺氏は「ブラックバイトの相談に来る人のほとんどが、最初からサンドラのように諦め、『自分が悪い』と責めている。リアリティを感じた」と批評した。

渡辺氏によれば、ユニオンへ相談に訪れた人の全てが団体交渉にまでこぎつける訳ではなく、途中で諦めてしまう人も多いという。それでも渡辺氏は「話を聞きながら整理していくと、相談者ではなく企業の労務管理に問題がある場合がほとんど。サンドラの夫のように励まし助言することで、本人が現状をおかしいと感じ、行動する一歩を踏み出せる」と述べ、問題解決を促す支援者の重要性を訴えた。

また、坂倉氏は「自分の働く環境を良くすることが、職場全体の改善につながる」と指摘。中谷さんは「ユニオンのような支援団体の存在が社会にもっと広まるといい。人同士の関わりやつながりが生まれることが希望だ」と話した。作品は23日から都内他で上映される。

映画「サンドラの休日」公式サイト

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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