ポスターセッションの様子

ポスターセッションの様子

積水化学工業は、創立55周年記念事業として2002年から「積水化学 自然に学ぶものづくり」研究助成プログラムを行っている。大学・研究機関への支援を目的として、13年間で185の研究テーマ190人に対し、総額2億6千万円ほどの助成を実施。持続可能な社会実現への技術革新をもたらすために、科学技術の進展に貢献することが目的だ。(積水インテグレーテッドリサーチ 主席研究員=白鳥和彦)

■自然界には現在のハイテクも及ばない叡智を持っている
これまでの経済活動は、多くの地球資源を消費し、その恩恵で豊かな生活を築いてきた。しかし、人工の急激な増加とそれに伴う食料や資源の問題、地球温暖化をはじめとする環境問題など、地球環境が深刻な事態を迎えていて、限られた資源を有効にかつ循環的に利用する必要に迫られている。

そのためには、(1)石油由来の原料への依存度を下げる、(2)環境負荷ができるだけ少ないものをつくる、(3)人体に害を及ぼすような物質を使わない、(4)自然のメカニズムを活かすことで人工物にはない機能を付加するといったことが重要となると考えている。

自然界とそれを構成する生命体は、エネルギー効率という点で驚くほどに優れている。たとえば、人間の1日の活動の消費量は約2000キロカロリーで、これを電気量にするとおよそ100ワットの電球を24時間つけっぱなしにした場合の消費量に相当する。いかに効率的かが判るであろう。エネルギー効率という点から見れば、人間がつくり出してきたテクノロジーは未熟といわざるを得ない。たとえば、鉄鉱石から自動車1台分の鋼板を製造するのに要するエネルギーは、人間1人の20年分のエネルギー消費量に相当するなど人間社会は地球環境に多大な負荷をかけてきた。

自然界は基本的に、太陽のエネルギーを受けて植物が光合成を行い、食物連鎖によってさまざまな生物が生まれては死んで次の栄養源となるといった具合に、循環システムが効率的、相互作用的に働いている。植物も動物も、限られた資源、エネルギーで生命の営みを続けられる機能を備えている。

1 2 3