馬糞でキノコ栽培--引退後の競走馬が岩手で活躍

馬糞は生産量の少なさから一般に流通しておらず、価値が見落とされていた。船橋さんは、競走馬のトレーニングに携わるなかで、県外からも馬糞を求める人に出会い、活用の場をひらめいたという。

馬糞は70度~80度で発酵し、約8か月で堆肥となる。発酵熱が保てない冬場は南八幡平温泉の熱水を活用する計画だ
馬糞は70度~80度で発酵し、約8か月で堆肥となる。発酵熱が保てない冬場は南八幡平温泉の熱水を活用する計画だ

「軽くて匂いもしないという、馬糞ならではの特徴がある。これは馬の特性であるし、馬に還元されるべき。付加価値づくりを進め、収益を高めたい」(船橋さん)

船橋さんは引退した馬を12頭飼育している。商業ベースのマッシュルーム栽培は、今年3月から始めた。現在の規模では、エサ代は賄えるものの、人件費までカバーできていないのが課題だ。

船橋さんは「馬糞堆肥の付加価値付けを進めながら、マッシュルーム栽培の生産規模を、現状の40トン程度から100トンまで引き上げたい。馬の魅力を知ってもらい、馬にかかわる人が増えてほしい」と意気込む。

◆一般社団法人馬と人との共存・共栄推進協会 http://www.horse-people.org/

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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