「誤解を恐れずに言えば、賛成で、参加するしかない」。TPPについて調べていると2011年1月のオルタナの記事が目についた。誰のコメントかと思えば自分だった。

一方、2011年1月の別の誌面では、「日本がTPPに参加しようがしまいが、きちんと食べていける仕組みを作るのが農業経営者の仕事」と回答していた。

このように答えたのは、経営者としては賛成も反対もなく、ルールの中で頑張るしかないという意味だ。当時は自分の考えもブレていたなと反省することしきりだが、TPPに関する情報があまりにも少なく、答えようがなかったというのが正直なところだ。

TPPに参加しても、自社のブランドをしっかりと確立すれば安価な外国産とも勝負できるとは考えていた。

ところが、この考えを改めないといけない出来事があった。

2013年6月に元農林水産相の山田正彦氏をお呼びして友人とイベントを開催した。そこで山田元農林水産相はNAFTA(カナダ・メキシコ・米国3カ国による北米自由貿易協定)を例に、メキシコにとっては「日本の米」であるトウモロコシを事例に、どの様なことが起こったのかを教えてくれた。

メキシコの主食はトウモロコシから作るトルティーヤだ。安い米国のトウモロコシはここぞとばかりメキシコへ攻勢をかける。

メキシコより安いのは、大規模化が進んでいるだけではなく、多額の補助金が出ているからだ。(日本の農家は補助金付けという報道ばかりなので、この事実も日本国民はほとんど知らないだろう)。

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