RE100加盟へのポイントとメリットは

2040年に自然エネ100%を達成すると宣言している積水ハウスでは、FITでの住宅太陽光の買い取りが終了後、余剰電力を同社が買い取るようにしている。

ただ、審査基準は柔軟に変わるようだ。JCLP事務局は、「時代に合わせて基準を変えていく。基準を満たすよりも、コミットメントすることと社会への発信を重視している」と話す。

一方で、国内では自然エネの価格は欧米に比べて高い。国内企業がRE100に加盟することのメリットとは何か。JCLP事務局は、「自然エネで事業を行う世界中の企業と情報交換が可能になり、脱炭素化を加速するパートナーと出会うことができる」「投資家が企業の脱炭素化への移行準備を注視し始めており、ESG投資等における評価ポイントとなる」とする。

「よく『メリットは何か』と聞かれるが、世界的に自然エネが急拡大し、カーボンプライシングをはじめとする政策の導入も加速する中、何も行わない『リスク』の方が深刻」だと話す。

■声を集約して政策提言へ

JCLPでは気候変動に関する国際会議などに定期的に出席しており、企業関係者から「安価な自然エネが手に入らない国では、工場や研究施設を建てることは考えていない」という発言もよく聞かれるという。

RE100では、加盟企業の声を集約して政策提言へとつなげる動きがグルーバルでは起きている。国内でも同様の展開をしていきたいとJCLP事務局は話す。

今後、RE100を起点に脱炭素化を日本でどう推進していくのか。JCLP事務局は「自然エネの市場規模が増えるほど、価格は下がり、政策にも反映されていく」と見る。自然エネの市場規模を拡大するためには、「需要側が声を上げない限り、供給側は盛り上がらない」と断言する。

企業が自然エネに切り替えることを、「理念やブランディングのためだけではなく、ビジネスをしていく上でのメリットととらえられるような状況に変えていきたい」と力を込めた。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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