オルタナ61号(2020年6月30日発売)

今号の表紙
ワシントンのセントジョンズ聖公会教会前で聖書を掲げるトランプ米大統領。警察官が黒人男性を暴行して死亡させた事件を機に全米に抗議デモが広がる中、治安回復をアピール。政府が抗議集団に催涙弾を使った直後だったこともあり批判が殺到した。 (C)The New York Times/Redux/アフロ

*■電子中吊りを作りました。こちらからダウンロードできます。

※敬称略

3 from editor in chief
alternative eye  森 摂
コロナ禍は変革への「最後の機会」

4 Social Design Gallery
インドネシアの「溺れゆく土地」

9 art
高橋さとみの切り絵ワールド──音に出してみる

social business around the world
11 [フランスほか]
ミミズで堆肥化、欧州で人気に
12 [米国]
名門校の授業をオンラインで受講
13 [フランス]
プラと端切れをTシャツに再生

14 feature story
新型コロナと持続可能性
各国で格差拡大、社会の沸点下がる

新型コロナウイルスが世界の経済や社会を大きく変えた。長期の外出禁止や自粛によって多くの企業が倒れ、失業者も増えた。先進国や開発途上国を問わず、貧富の格差は今後、さらに広がるだろう。6月に米国などで起きた「人種差別反対」デモが過去最大の規模になり、社会の「沸点」が下がったことも実感させる。企業はコロナや人種問題だけでなく、幅広く「社会対応力」を問われる時代になった。

・「パーパス」問い直す動き
鈴木 祥(フェデレイテッド・ハーミーズ・EOS=英国)

新型コロナの世界的な感染拡大は、ESG(環境・社会・ガバナンス)など投資の世界をどう変えるのか。ESG投資のエンゲージメントを手掛ける鈴木祥氏に見通しを聞いた。

・コロナ禍の本質は「SDGs」
竹村 眞一(京都芸術大学教授)

5月末に緊急事態宣言が解除され、日本も経済回復への道を模索し始めた。文化人類学者の竹村眞一・京都芸術大学教授は「本当に怖いのはウイルスよりも、その脅威を増幅させる社会のあり方」だと指摘する。

・「デュアルモード社会」の構築を
田坂 広志(多摩大学大学院名誉教授)

ポストコロナは、様々なパンデミックが到来する時代。では、それに耐え得る社会とは何か。田坂広志教授は、それは「デュアルモード社会」であると提言する。それは、どのような社会か。どうすれば、その社会を実現できるのか。

・危機がもたらす文明の移行
平川 克美(合名会社隣町珈琲代表)

新型コロナウイルスの感染拡大で世界の主要都市がロックダウンし、経済を冷却させた。経済成長の「病」やグローバル化の負の側面を指摘してきた文筆家の平川克美氏は、この状況をどうとらえているのか。

・持続可能な消費行動へ
高岡 浩三(ケイアンドカンパニー代表)

コロナ禍を経て、企業はどのように変わるのか。高岡浩三・前ネスレ日本社長は「消費者と企業が一体化してサステナビリティに取り組む時代になる」と説く。

・脱炭素と復興を同軸で
高村 ゆかり(東京大学未来ビジョン研究センター教授)

新型コロナにより、経済も社会も環境もかつてない規模でダメージを受けた。高村ゆかり・東大教授は、復興における「グリーンリカバリー」の視点が極めて重要だとする。

・脱「おじさん」が競争優位
村上 由美子(OECD東京センター所長)

コロナ後の社会には「正解」がない。イノベーションが不可欠だ。多様性はイノベーションの源泉と言い切るOECD東京センター村上由美子所長にコロナ後のダイバーシティを聞いた。

top interview
残る時間はわずか、「気候崩壊」の真実
デイビッド・ウォレス・ウェルズ(ニューヨーク・マガジン副編集長)

「平均気温2度上昇で死者が1億5千万人増加する」など「気候崩壊」に伴う衝撃的な事実をまとめた『地球に住めなくなる日「気候崩壊の避けられない真実」』(NHK出版)が米国や欧州でベストセラーになった。著者のデイビッド・ウォレス・ウェルズ氏にオンラインで取材した。

コロナ禍こそ「パーパス」重要
牛山大輔(ハリウッド化粧品グループ 社長

メイ・ウシヤマ氏が1925年に創業したハリウッド化粧品は、「女性目線」を守りながら成長を続けてきた。従業員の7割を女性が占め、女性の立場に立って商品づくりを行う。牛山大輔社長はコロナ禍で企業が生き抜くには、「パーパスが重要だ」と強調する。

「1%寄付」で自然エネ促進へ
田口一成(ボーダレス・ジャパン 社長)

約40種類に及ぶ多彩なソーシャルビジネスを展開するボーダレス・ジャパン(福岡市)が電力の小売り事業に乗り出した。サービス名は「ハチドリ電力」。契約者は毎月の支払い額の1%をNPOへ寄付する仕組みだ。陣頭指揮を執る田口一成社長に戦略を聞いた。

columns
39 オルタナティブの風  田坂 広志
「弱者犠牲」の論理を覆すポストコロナ社会

41 エゴからエコへ  田口 ランディ
「令和コロナ維新」

finance
42 地域金融トピックス  綴り屋はちどり
43 つなぐ金融  林 公則
新たな通貨をデザインする

mobility
44 モビリティトピックス  島下 泰久
45 モビリティの未来  清水 和夫
コロナ後の次世代モビリティとは

agriculture
46 農業トピックス  西村 ユタカ
47 日本農業 「常識」と「非常識」の間  徳江 倫明
コロナウイルスと有機農業

forestry
48 林業トピックス  オルタナ編集部
49 「森を守れ」が森を殺す  田中 淳夫
自然素材は「プロダクトアウト」で

fishery
50 漁業トピックス  瀬戸内 千代
51 人と魚の明日のために  井田 徹治
今年のウナギは豊漁だって?

fair trade
52 フェアトレードトピックス 中島 佳織
53 フェアトレードシフト  中島 佳織
「誰一人取り残さない」は可能か

fundraising
54 ファンドレイジングトピックス  宮下 真美
55 社会イノベーションとお金の新しい関係  鵜尾 雅隆
新型コロナが導く「選択する寄付」

circular economy
56 廃棄物・静脈物流トピックス  エコスタッフ・ジャパン
57 論考・サーキュラーエコノミー  細田 衛士
何のためのレジ袋有料化か

59 オルタナティブな空間  馬場 正尊
コロナ後の世界をぼんやり考えてみた

61 欧州CSR最前線  下田屋 毅
コロナ禍の責任ある企業行動

62 CSRトピックス  CSR48
総監督のつぶやき CSR48・太田 康子
「ニューノーマルの幕開け」

alterna S presents
64 オルタナSな若者たち オルタナ編集部
辻 愛沙子(arca社長)
Zの閃(ひらめ)き、企業と社会結ぶ

67 KIYOの哲学 考察編  南 清貴
異常気象や蝗害(こうがい)が招く食料危機

69 エコでヘルシーな食空間  岡村 貴子
心地良いコーヒースタンド

70 エシカル・ファッションの旗手たち  生駒 芳子
海ごみ問題に貢献、スペイン発ブランド

72 世界のエコホテル巡礼  せきねきょうこ
最高級リゾートで自然を満喫

74 間違いだらけの自転車選び  山本 修二
都市型バイクは安定感で選ぶ

76 読者の声

77 バックナンバー

flash fiction
78 「こころざし」の譜  希代 準郎
C世代の甲子園

80 次号予告&編集後記

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editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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