■「人がいない」では解決しない
NPOでも企業でも「もっと人がいれば」と考えることは多いだろう。今回のカイケツでも、「業務が一人に集中する」「時間がない」という悩みが多く、「もっと人がいれば解決するはずだ」という声が複数あった。
それに対し、中野昭男講師(元トヨタ自動車、のぞみ経営研究所長)は「『なぜなぜ』を繰り返す真因追求の結果、『人がいない』という結論に至ってしまうと、解決が難しくなってしまう」と指摘する。
「例えば、『会議の準備に時間がかかる』という問題に対して、『人がいないから時間がかかる』と結論づけるのではなく、なぜ時間がかかってしまうのかを分解して考える必要がある。そのなかでシステムの問題なのか、情報共有の問題なのかなどが見えてくる。真因が分かれば、それに対する『対策』も見えてくるはず」と助言する。
「対策立案」のワークショップを終えて、参加者からは「同じ悩みでも、要因解析をしてみると違った対策が出てくる。一連のステップを踏んでいく重要性が分かった」といった声が寄せられた。
今後、参加者は「対策立案」を実行し、1月にその成果を発表する。古谷健夫講師(クオリティ・クリエイション代表、元トヨタ自動車)は「成果発表会はより良くなるための通過点で、ゴールではない。その先にあるものを目指して取り組んでいってほしい。トヨタの『A3資料』は、第三者に分かりやすく伝え、仲間を巻き込むためのもの。ぜひストーリーと起承転結があるにこだわってほしい」と激励した。