■世界のソーシャルビジネス アジア・オセアニア編 フィリピン

国際電気通信連合(ITU)によれば、世界人口の約6割にあたる40億人が、いまだインターネットにアクセスできない状況にある。情報格差は大きな生活の格差を生み出してしまう。NPO法人Class for Everyone(C4E)は、パソコンの国際的なリユースサービスを通じて、平等な機会の創出に取り組んでいる。(瀬戸 義章)

子どもたちにパワーポイントの使い方を教える高濱氏(中央)

2001年に「資源有効利用促進法」が制定され、不用になったパソコンを処分する場合は、メーカーに引き取り依頼をすることが求められるようになった。集められたパソコンは、新たな資源とするために解体される。リサイクルを推進するために設けられた制度だが、毎年解体される約6千トンの中には、まだ使用可能なもの、リユースできるものが含まれている。

パソコンとして機能するものまで解体してしまうことは、資源を有効利用しているとは言い難いだろう。

C4Eは、パソコンをリユースするときの新たな選択肢を提供している。彼らはデータ消去したパソコンを引き取り、英語版のOS再インストールや清掃などの作業を経て、発展途上国の学校やNGOに届ける仕組みを構築している。

パソコンを送る主な目的は、主に地方や貧困地域に暮らす子どもたちの教育に役立てるためである。
同団体の高濱宏至代表によれば、途上国の貧困地域でもICT機器による教育ニーズは高いそうだ。文書作成や表計算、インターネットによる情報収集や発信といったスキルを身に付けることが、仕事の獲得に直結する。パソコンを利用できる・できないという格差が、信じられないほどの所得格差に繋がっていくのだ。

そこでC4Eは、単に物品を送るだけでなく、さまざまな団体と連携して、操作方法のレクチャーやビデオ授業の放送といったICT教育を推進している。

社員を巻き込むCSR

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