企業はカーボンネットゼロ宣言でどう動くか

オルタナ編集部は、「オルタナ63号」(2020年12月21日発売)の特集の一環として、石油元売り/石油・天然ガス開発、電力、ガス、主要商社の合計24社に対し、政府の「カーボンネットゼロ宣言」と企業の方針に関するアンケート調査を行った。回答した16社のうち、10社が「カーボンネットゼロ宣言は事業に影響を与える」と答えた。(オルタナ編集部・松田ゆきの)

アンケート調査項目の質問1「日本の『2050カーボンネットゼロ宣言』を支持するか」への回答

質問は、「(1)菅首相の2050年カーボンネットゼロ宣言を支持するか」「(2)宣言は事業に影響を及ぼすと考えるか」「(3)2050年時点で事業はどのような姿になっているか」「(4)事業戦略はどのように変化するか」の4問。

(1)(2)に関しては、「はい」「いいえ」「分からない」から選択し、(3)(4)に関しては記述式で回答してもらった。

24社のうち、ENEOSホールディングス、出光興産、コスモエネルギーホールディングス、沖縄電力、中国電力、静岡ガス、西部ガス、東京ガスの8社は「無回答」だった。富士石油は「分からない」とだけ答えた。

回答した15社はすべて「菅首相の2050年カーボンネットゼロ宣言を支持するか」との質問に「はい」と答えた。

質問2「宣言は化石燃料の販売に影響を及ぼすと考えるか」への回答

「宣言は化石燃料の販売に影響を及ぼすと考えるか」には、国際石油開発帝石、四国電力、中部電力、東北電力、北海道電力、北陸電力、大阪ガス、伊藤忠商事、三菱商事の10社が「はい」と回答、豊田通商だけが「いいえ」だった。

回答した多くの企業が、「政府が宣言した2050年カーボンネットゼロ宣言は、極めてチャレンジングな目標だ」としたうえで、記述式の回答に応じた。

アンケート調査を依頼した石油元売り/石油・天然ガス開発5社のうち、唯一回答があった国際石油開発帝石は、「ガスの需要ピークが2030―40年に到来すると仮定し、人口光合成やメタネーションなどの利用からなるCCUSや、水素などの事業を新たな柱としていく」ことを明らかにした。

大手電力会社は10社中8社がアンケートに回答し、うち6社が「脱炭素社会実現に向けて自然(再生可能)エネルギーと原子力発電を活用していく」方針であることを示した。

ガス会社は4社中大阪ガスのみが回答し、同社は「天然ガスシフト、天然ガスの高度利用の推進やイノベーション、3E+Sを踏まえたエネルギー転換、水素の活用」など、石油だけに頼らないビジネスモデルを検討している。

主要商社5社が回答に応じ、気候変動に対するそれぞれの対応を述べた。各企業の回答は、下の図をクリックすると閲覧することができる。

本記「DXとSX(サステナブル・トランスフォーメーション)脱炭素に不可欠」はオルタナ本誌63号をご覧ください。

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