CDP、不二製油と花王が日本企業初のトリプルA

企業のESG評価を行う国際NGOのCDPは12月8日、「気候変動」「森林」「水」の3分野の「Aリスト2020」を公表した。対象となったのは世界約5800社で、「気候変動」では270社、「森」では16社、「水」では106社がA評価を獲得。3分野でA評価を獲得する「トリプルA」には10社選定され、日本企業として初めて花王と不二製油グループがトリプルAとなった。(編集部・松田ゆきの)

CDPは各企業の環境分野への取り組みを「気候変動」「森林」「水」の3分野で評価する

CDPとは、企業や自治体に気候変動など環境分野への取り組みについて情報を開示するよう求め、それぞれの取り組みを評価する国際NGOだ。「A」「A⁻(マイナス)」から「D⁻」「D」の8段階で評価され、最高のAに認定された企業は、気候変動や水問題、森林減少で生じるリスクを緩和するために、積極的かつ有効な活動を行っていることが認められたことになる。

2020年度、A評価を得た企業は世界全体で313社、うち「気候変動」部門で270社、「森林」で16社、「水」で106社だった。

トリプルAを獲得した企業は、ロレアル、ダノン、ヒューレットパッカード、不二製油グループ、花王など10社が「トリプルA」を獲得した。特にロレアルは5年連続のトリプルA だった。

花王はこれまでに「気候変動」分野で1度、「水」分野で3度、A評価を獲得した。2020年度初めて「森林」分野でもA評価を獲得し、日本企業で初めてトリプルAのリスト入りを果たした。

持続可能なパーム油と紙・パルプの調達ガイドラインで森林破壊ゼロを支持するほか、持続可能な調達を推進し、トレーサビリティの確認を実施したことが、「森林」分野でのA評価取得につながった。

不二製油グループは、2016年度からCDPの質問票に回答しており、2019年度は「森林」部門でA評価、「気候変動」と「水」は A⁻評価だった。同グループは2020年6月、児童労働撲滅、森林破壊防止に向けて、持続可能なパーム油・カカオ豆の調達を実現するために「サステナブル調達コミットメント」を策定した。

その他、A評価を獲得した日本企業は、鹿島建設、キヤノン、京セラ、大和ハウス、東芝、東レなど67社だった(日本企業全67社の一覧は左図の通り)。

【訂正】
(誤)A評価を獲得した日本企業は、(中略)62社だった(日本企業全62社の一覧は左図の通り)。
(正)A評価を獲得した日本企業は、(中略)67社だった(日本企業全67社の一覧は左図の通り)。

お詫びするとともに、訂正をさせて頂きます。

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