みなとみらいに持続可能なレストラン

コロナ禍で飲食業が苦境に立たされるなか、みなとみらいで新しい挑戦が始まった。1月13日にリニューアルオープンしたKITCHEN MANE(キッチンメイン、横浜市)だ。コンセプトに「FOOD MADE GOOD PLATE」を掲げ、 サステナブル・レストランの基準に則ったメニューを提供する。食品ロスを出さないために調達した食材によって日替わりでメニューを決めるが、価格は「客が決める」というユニークなスタイルだ。

みなとみらいの絶景を一望しながら社会や環境に配慮した食を楽しめる

このレストランは、横浜市中区に位置するKITCHEN MANE(キッチンメイン)。店内は60席すべてオーシャンビュー。400年以上続く福岡の老舗料亭で腕を振るってきた総料理長が、その日に採れた食材をもとに独創的な料理を生み出す。

KITCHEN MANEは「調達」「社会」「環境」の3軸でレストランのサステナビリティ度を測っている日本サステナブル・レストラン協会の会員にもなっている。

仕入れる野菜は、 輸送によるCO2排出削減、 地域活性化を考慮し、半径120km圏内の地産地消にこだわる。 地元横浜や千葉の有機栽培・自然栽培を行う契約農家から直送される野菜や物流に乗られない規格外野菜を仕入れている。

有機栽培農家から直送される野菜

魚は三重県二木島漁港の漁師から仕入れ、水揚げしたばかりの「安心・安全」な鮮魚のみを使う。

メニューは毎日異なるが、「トレーサビリティを追求した鮮魚の漬け丼」、「有機野菜と平飼い卵の鍋焼きうどん」、「フェアトレードスパイスのカレー」などがある。ヴィーガン向けに「大豆ミートの飲むハンバーグ」なども用意している。

日替わりメニューの一例

コロナ禍なので営業時間は、朝食(8時~11時)とランチ(11時~15時)のみ。店舗スタッフ全員が社会課題に対して意識が高いので、メニューを提供する際に、食にまつわる社会課題について説明する。客は説明を聞いてから料理を食べ、価格を自由に決められる。

KITCHEN MANEを運営するのは、社会課題の解決を目指すInnovation Design(東京・千代田)。これまでは、KITCHEN MANEは数十種類のメニューがあり、それぞれに販売価格を設定していたが、コロナ禍でニューノーマルが求められてきたことを背景に、1月13日から店舗運営を一新した。この販売方法は、数カ月間は続けていくという。

Innovation Designのサステナブルデザイン室・和田奈央マネージャーは、「食は生活のベースにある。食を通して社会課題を知り、行動を起こすきっかけをつくりたい」と話す。

【店舗概要】
店舗名:KITCHEN MANE
所在地:神奈川県横浜市中区海岸通5-25-3-35F
電話:045-263-8571
営業時間:<朝食>8:00~11:00
     <ランチ>11:00~15:00
定休日:月曜日・火曜日
座席数:60席

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナS編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナS編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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