今さら聞けないESG金融(1)ESGの起源にSRI

債券市場の商品には、グリーンボンド(環境問題の解決に向けた事業を資金使途とする債券)、サステナビリティボンド(環境・社会の持続可能性に貢献する事業を資金使途とする債券)、ソーシャルボンド(社会的な課題の解決に向けた事業を資金使途とする債券)がある。

世界のグリーンボンド発行額は、「グリーンボンド発行促進プラットフォーム」の公表データによれば、2016年の872億㌦(約9兆円)から2019年には2,575億㌦(約27兆円)まで拡大し、20年はコロナ禍により1,990億㌦(約20兆円)だった。

国内でのグリーンボンド発行額は2016年の748億円から2020年には9,253億円と12.3倍となったが、環境省によると2020年は、コロナ禍の影響でグリーンボンドが減少し、サステナビリティボンド、ソーシャルボンドの発行割合が前年と比較して約2倍増加したという。

国内では、金融を除く多くの事業会社によるグリーンボンドの発行が進んでおり、2019年の事業会社発行体数はスウェーデンに次ぐ2位だった。

環境省はESG金融促進のための主要施策として、「金融セクターのESGのコミットとESG情報開示に基づく対話の促進」「地域課題解決を支えるESG地域金融の実現」「ポジティブなインパクトを狙った投融資の拡大」を推進している。

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室井 孝之 (オルタナ総研フェロー)

42年勤務したアミノ酸・食品メーカーでは、CSR・人事・労務・総務・監査・物流・広報・法人運営などに従事。CSRでは、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標や東北復興応援を担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にはプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月から現職。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。オルタナ・オンラインへの提稿にも努めている。執筆記事一覧

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