ブラックロックCEOの年頭書簡が世界を変えた

編集長コラム

「社会に損害を与える企業はいずれ自らの行為に対するしっぺ返しを受け、株主価値を棄損することになる。対照的に、強い企業理念を掲げ、ステークホルダーに真摯に向き合う企業は、顧客とより深くつながり、絶えず変化する社会の要求に適応できる。究極的には、企業理念が長期的な収益性の源泉となる」

これは米資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンクCEO が投資先に送った2020年の年頭書簡の一文です(2021年の年頭書簡も近々、オンライン記事でご紹介します)。

サステナビリティ(持続可能性)について、これほど明快で、力強い経営者の文章を見たことはありません。

ましてや、ブラックロックは、その運用資産残高(2020年末)が8.68兆米ドル(約896兆円)に達します。日本のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人、同172兆円)の5倍強を誇る世界最大級の機関投資家で、その影響力は甚大です。

この言葉に動かされない経営者は、上場企業でなくても、いないはずです。もはや「利益かサステナビリティか」ではなく、この2つは同軸で動かすべきものであることが分かります。

SDGsは社会的課題に関する世界の共通言語

森 摂(オルタナ編集長)

森 摂(オルタナ編集長)

株式会社オルタナ代表取締役社長・「オルタナ」編集長 武蔵野大学大学院環境学研究科客員教授。大阪星光学院高校、東京外国語大学スペイン語学科を卒業後、日本経済新聞社入社。編集局流通経済部などを経て 1998年-2001年ロサンゼルス支局長。2006年9月、株式会社オルタナを設立、現在に至る。主な著書に『未来に選ばれる会社-CSRから始まるソーシャル・ブランディング』(学芸出版社、2015年)、『ブランドのDNA』(日経ビジネス、片平秀貴・元東京大学教授と共著、2005年)など。環境省「グッドライフアワード」実行委員、環境省「地域循環共生圏づくりプラットフォーム有識者会議」委員、一般社団法人CSR経営者フォーラム代表理事、日本自動車会議「クルマ・社会・パートナーシップ大賞」選考委員ほか。

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キーワード: #CSR

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