「沈黙は暗黙の同意、笑うのは共犯」:識者5人に聞く

■曖昧な意気込みより、明確な指示案を
 山本和奈・一般社団法人Voice Up Japan代表理事

今回、森会長の発言は、女性に対する偏見に基づいた蔑視発言だったと捉えています。根拠もなく、女性の理事を生まないことを正当化する、女性のリーダーシップや実力を否定するようなコメントであり、国際社会にて日本を代表する大会の組織委員会の会長としては、許されないものでした。

 「彼が今まで成し遂げたことを見てみると、辞任させるわけにはいかない」という趣旨のコメントもよくみますが、本当にそうでしょうか。国内外からの批判、他国のオリンピック組織員による反対声明文、ましては在日大使館には「当たり前なことを言っているだけ」と、彼の発言が#DontBeSilent のムーブメントを加速させました。

オリンピックという歴史もあり、国際的に影響力のある大会の根本的なバリューを守り抜く事、偏見に基づいた発言や行動をしないことは、組織委員としての「仕事」の一環であり、それが守れないのであれば、会長の場にはふさわしくないと思います。

 何よりも、アクティブに、ジェンダー平等な社会や、多様な考えを認める日本を推進するために、アクションをとって頂くことを求めております。一人一人の個々の差が、尊重され、励まされる社会、そして、ジェンダーやセクシュアリティー、国籍や宗教などの違いを認め合い、受け入れられる社会を作り上げて欲しいです。

そのために、「多様な社会を目指して頑張りたい」といった曖昧なコメントや意気込みではなく、明確な指示案やガバナンスコードを作って頂き、いち早く多様性を尊重する社会を実現するために、アクティブに意思決定をしてもらいたいです。

■これからの世代には、もう聞かせたくない/村木真紀・認定NPO法人虹色ダイバーシティ代表

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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キーワード: #ジェンダー/DE&I

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