■曖昧な意気込みより、明確な指示案を
山本和奈・一般社団法人Voice Up Japan代表理事
今回、森会長の発言は、女性に対する偏見に基づいた蔑視発言だったと捉えています。根拠もなく、女性の理事を生まないことを正当化する、女性のリーダーシップや実力を否定するようなコメントであり、国際社会にて日本を代表する大会の組織委員会の会長としては、許されないものでした。
「彼が今まで成し遂げたことを見てみると、辞任させるわけにはいかない」という趣旨のコメントもよくみますが、本当にそうでしょうか。国内外からの批判、他国のオリンピック組織員による反対声明文、ましては在日大使館には「当たり前なことを言っているだけ」と、彼の発言が#DontBeSilent のムーブメントを加速させました。
オリンピックという歴史もあり、国際的に影響力のある大会の根本的なバリューを守り抜く事、偏見に基づいた発言や行動をしないことは、組織委員としての「仕事」の一環であり、それが守れないのであれば、会長の場にはふさわしくないと思います。
何よりも、アクティブに、ジェンダー平等な社会や、多様な考えを認める日本を推進するために、アクションをとって頂くことを求めております。一人一人の個々の差が、尊重され、励まされる社会、そして、ジェンダーやセクシュアリティー、国籍や宗教などの違いを認め合い、受け入れられる社会を作り上げて欲しいです。
そのために、「多様な社会を目指して頑張りたい」といった曖昧なコメントや意気込みではなく、明確な指示案やガバナンスコードを作って頂き、いち早く多様性を尊重する社会を実現するために、アクティブに意思決定をしてもらいたいです。