オルタナは３月18日（15時00分～17時00分）、第３回ＳＢＬセミナーを開きます。テーマは「CO2だけではない『温室効果ガス』の正体」です。地球温暖化に対しては、二酸化炭素の削減を急がなくては本質的な対策になりませんが、メタン、一酸化二窒素などの微量ガスの削減も重要です。意外と知られていない「温室効果ガス」について学びます。企業の気候変動対策に関心を持つ方におすすめです。
温暖化をもたらす効果は単位量あたりの温室効果と濃度増加のかけ算で決まります。このことから、温暖化に対して最大の寄与を示す二酸化炭素の削減を急がなくては本質的な対策になりません。ただし、メタン、一酸化二窒素などの微量ガスの温室効果をたし合わせると二酸化炭素の半分を上回るので、その削減は重要です。
メタンや代替フロン類の削減は温暖化抑制の効き目が早く、今世紀前半のような近い将来の温暖化を遅らせて気候の急激な変化を防ぎます。一方、一酸化二窒素、フロン類、六フッ化硫黄などの削減は効き目が遅いものの、それ以降の長期にわたる温暖化抑制に欠かせません。二酸化炭素の削減とともに、どちらも急いで進めるべき重要な対策になります。
ゲストには、野尻 幸宏・弘前大学理工学研究科教授・国立環境研究所温室効果ガスインベントリオフィス連携研究グループ長を迎え、CO2以外の温室効果ガスについてお話いただきます。
■第二部は代替フロン問題――「空調・冷蔵・冷凍」が使えなくなる日
第二部では、「代替フロン」を取り扱います。「冷媒フロンの大気放出がオゾン層を破壊して皮膚ガンや白内障になる」――1980年頃から国際的な問題となりテレビ・新聞で大きく報道されました。あの当時は、国民も企業もフロンに対して大きな関心がありました。
ところが、オゾン層を破壊しない冷媒（HFC）が開発・導入されてから国民の関心は全く無くなりました。それは、「代替フロン」と名付けてしまったことが一因ではないでしょうか。
しかし、このHFCも温室効果ガスに指定され、2019年1月1日にキガリ改正に批准したため、年々その生産量の削減が義務づけられて、2024年（▲40%）、2029年（▲70%）、2036年（▲85%）と生産が削減されます。
冷凍空調機器は我々の生活に不可欠なものですが、このまま企業が冷媒漏えい対策に本腰を入れないでいると、冷凍空調機器の修理はおろか新規の製品の製造もままならなくなる喫緊の問題です。
ちなみに、2020年12月8日発表のわが国の2019年度温室効果ガス排出量（速報値）によると、HFCの排出量は50.4百万トンです。この数値は、地球温暖化の主な原因である二酸化炭素排出量の内、家庭部門排出量159百万トンの32%に相当する小さくはない値となっています。
この問題に取り組む、一般財団法人日本冷媒・環境保全機構（JRECO）の担当者をゲストに招き、現状を語ってもらいます。
■ＳＢＬ（サステナブル・ビジネス・リーグ）とは
オルタナでは2020年12月に有料会員制度「ＳＢＬ（サステナブル・ビジネス・リーグ）」を立ち上げました。ＳＢＬは、サステナビリティ経営やＳＤＧs（持続可能な開発目標）、ＣＳＲという共通の価値観をともにするビジネスパーソンや大学生によるネットワークです。
毎月、ＳＢＬセミナーと題して、サステナビリティに関する新制度や法律について学ぶオンライン講座を開いています。
第３回ＳＢＬセミナー
「CO2だけではない『温室効果ガス』の正体」
【日時】３月18日（木）15：00～17：00
第１部： メタン、一酸化二窒素など――微量ガスの削減も重要（50分+質疑応答10分）
講演者： 野尻 幸宏・弘前大学理工学研究科教授・国立環境研究所温室効果ガスインベントリオフィス連携研究グループ長（兼務）
第２部： 代替フロン問題――「空調・冷蔵・冷凍」が使えなくなる日
講演者： 一般財団法人日本冷媒・環境保全機構（JRECO）
ファシリテーター： 株式会社オルタナ代表取締役・オルタナ編集長 森 摂
参加費： 一般 1980円 SBL会員 無料
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主催：株式会社オルタナ
協力：一般財団法人日本冷媒・環境保全機構（JRECO）
